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平成三十年十一月二十一日提出
質問第七四号

セントラルバンクデジタルカレンシーに関する質問主意書

提出者  中谷一馬




セントラルバンクデジタルカレンシーに関する質問主意書


 二〇一八年四月十六日、日本銀行の雨宮正佳副総裁は中央銀行が発行するデジタル通貨であるセントラルバンクデジタルカレンシー(以下、CBDC)に関して、「日本銀行は現時点で、自ら中央銀行デジタル通貨を発行する計画は持っていません。」という見解を示した。その一方で、二〇一八年十一月十四日に行われたシンガポール・フィンテック・フェスティバルにて、国際通貨基金(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド専務理事は、キャッシュ需要の減少とデジタル通貨への関心の高まりを踏まえて「国家にはデジタル経済に通貨を供給する役割があるかもしれません。」と発言をした。
 シンガポール金融当局の委託調査では、現金や小切手といった紙ベースの決済手段の利用に伴うコストはGDPの〇・五二%に達すると試算されている。また、カナダ中央銀行職員がCBDCの導入を行った場合に、カナダでは消費が〇・六四%、米国では一・六%それぞれ最大で上昇するという趣旨の論文を発表し、経済的利益に対する考察がされている。世界を見渡せば、中国、カナダ、フィリピン、スウェーデン、ノルウェーなどがCBDCに関して、開発に向けた調査研究を積極的に進めているという報道が見られ、現金から電子的な決済手段への移行を後押しする取り組みが進められている。こういった世界的な状況を踏まえ、確かな技術の活用と万全な管理体制を構築し、安全性を確保した上で、日本においてCBDCを発行する可能性や是非について本腰を入れて研究・検討すべき時期であると考え、政府の見解を確認したく、以下質問する。

一 日本政府としてCBDCを発行した時にどのようなメリットがあると考えているのか、所見を伺いたい。
二 日本政府としてCBDCを発行した時にどのようなデメリットがあると考えているのか、所見を伺いたい。
三 キャッシュレス社会の推進を掲げる日本政府においてもシンガポールやカナダのように、日本の現金・小切手等の紙ベースによる決済手段から、デジタル通貨などの電子的な決済に置き換えることで、経済や財政にどのような影響を与えるのか調査研究を行い定量的な試算をすべきであると考えるが、如何か。また調査研究を行わないと結論づける場合には何故、調査研究を行わないのか、その理由を論理的かつ明瞭に説明願いたい。
四 日本政府としてCBDCの発行に関する議論や検討を今後どのように進めていくのか、所見を伺いたい。
五 日本政府としてCBDCを発行する可能性について、現時点でどのように考えているのか、所見を伺いたい。

 右質問する。



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