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平成三十一年三月二十二日提出質問第一〇九号
毎月勤労統計調査における共通事業所の実質賃金算出方法等に関する質問主意書
提出者 山井和則
毎月勤労統計調査における共通事業所の実質賃金算出方法等に関する質問主意書
政府は、一月十一日に「毎月勤労統計調査において全数調査するとしていたところを一部抽出調査で行っていたことについて」を公表し、これまでの毎月勤労統計が不正な調査に基づくものであること等を公表し、過去の確定したデータの再集計、公表を行うとともに、再集計値に基づく追加給付を実施することとしています。また、一月二十二日には、毎月勤労統計調査等に関する特別監察委員会により「毎月勤労統計調査を巡る不適切な取扱いに係る事実関係とその評価等に関する報告書」が厚生労働大臣に提出されました。
また、一月三十日に開催された第百三十一回統計委員会では、毎月勤労統計の不正調査や再集計等に関する様々な資料が提出され、経緯等の説明が行われました。
さらに、二月二十二日より、厚生労働省は、毎月勤労統計の「共通事業所」の賃金の実質化をめぐる論点に係る検討会(以下、実質化検討会という。)を開催しています。
そこで以下の通り、質問します。
二 二〇一八年各月の、共通事業所系列の参考値のうち、名目賃金の前年同月比(伸び率)の算出に用いた式を示して下さい。各月の算出に用いた数値も示して下さい。
三 二について、もし共通事業所系列の参考値について、名目賃金指数を使用していないのであれば、なぜ、名目賃金の前年同月比(伸び率)を算出できるのか、についての理由を示して下さい。
四 共通事業所系列の参考値として、実質賃金の前年同月比(伸び率)を算出するために、名目賃金を指数化しなければならない理由を示して下さい。
五 毎月勤労統計調査の平成三十年各月の、中間的整理案で言及されている本系列について、名目賃金指数の前年同月比(伸び率)の算出式を、各月の具体的な数値とともに示して下さい。
六 毎月勤労統計調査の平成三十年各月の、中間的整理案で言及されている本系列について、各月の名目賃金の金額を基に前年同月比(伸び率)を算出した数値を、それぞれ示して下さい。
七 共通事業所系列の参考値の、昨年の名目賃金の前年同月比(伸び率)を、毎月勤労統計調査平成三十年十二月分結果確報に掲載されている、昨年一月から十二月の各月の消費者物価指数で除した数値を示して下さい。すなわち、昨年の共通事業所系列の参考値の、名目賃金の昨年の前年同月比(伸び率)に百パーセントを足した数値を、昨年一月から十二月の各月の消費者物価指数に百パーセントを足した数値で除した結果得られる数値を、昨年の一月から十二月の各月について示して下さい。
八 六で示された数値を、七と同様に、昨年一月から十二月の各月の消費者物価指数で除した数値を、それぞれ示して下さい。
九 八で示された数値は、毎月勤労統計調査平成三十年十二月分結果確報の二ページに掲載されている実質賃金とどのような差異がありますか。また、その差異は、計算上の四捨五入の影響以外の理由によるものですか。
十 昨年の毎月勤労統計調査の本系列の名目賃金の前年同月比(伸び率)一.四パーセント、実質賃金の前年同月比(伸び率)〇.二パーセントについて、厚生労働省が三月八日に提出した資料「ベンチマーク更新について」の中で、二〇一八年一月時点で「ベンチマーク更新分として九百六十七円(〇.四パーセント)の段差」が発生していると認めており、ついては、景気指標としての賃金変化率(伸び率)は、右記の一.四パーセント、〇.二パーセントから、〇.四パーセントを差し引いた、名目賃金の前年同月比(伸び率)は一.〇パーセント、実質賃金の前年同月比(伸び率)はマイナス〇.二パーセントの方が実態に近いと考えますが、政府の見解を示して下さい。
十一 中間的整理案では、共通事業所に「サバイバル・バイアス」があることが指摘されています。この「サバイバル・バイアス」は、毎月勤労統計の改善に関する検討会等でも、数値が大きくなる傾向があることが指摘されています。ついては、昨年の共通事業所系列の参考値の、名目賃金の前年同月比(伸び率)は、過大になっている可能性はありますか、それともありませんか。
右質問する。