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平成三十一年四月十一日提出質問第一三四号
麻しんの感染者が昨年を既に上回ったことを踏まえた麻しんの予防接種の定期接種の対象者の拡大に関する質問主意書
提出者 初鹿明博
麻しんの感染者が昨年を既に上回ったことを踏まえた麻しんの予防接種の定期接種の対象者の拡大に関する質問主意書
国立感染症研究所の報告による二〇一九年第一から十週に診断された麻しん報告数(二〇一九年三月十三日現在)は三百四例に上り、昨年の累積報告数二百八十二例を上回る事態となっています。特に昨年、大型商業施設あべのハルカスの従業員に二名の感染者が発生した大阪府では、既に感染報告数が百六例となっており、更なる感染拡大が懸念されています。
麻しんの感染拡大は我が国のみならず、米ニューヨーク市ブルックリン地区では昨年九月以降、二百五十人以上が麻しんに感染しています。この事態を受け、デブラシオ市長は本年四月九日、同地区の一部に公衆衛生の非常事態を宣言し、対象地域に住み、感染する可能性がある人に予防接種を義務付け、従わなければ千ドル(約十一万円)の罰金を科すこととしたと報じられています。
厚生労働省は、本年度から定期接種の対象となっていなかった年代の者について風しんの定期接種の対象としましたが、同じMRワクチンで予防接種が出来る麻しんについては、本年二月二十七日の衆議院予算委員会第五分科会においても、二歳以降の全ての年代で、麻しんの抗体保有率が九十五%以上となっていること等の理由で、麻しんの定期接種の対象者を拡大する必要はないと考えている旨を答弁しています。
国立感染症研究所の報告による感染者のワクチン接種歴は、接種歴なしが百五例(三十五%)、不明が百六例(三十五%)、一回が五十四例(十八%)、二回が三十九例(十三%)となっており、政府が主張する麻しんの抗体保有率が各年代で九十五%以上であるということは疑わしく、接種歴のない者、つまりは、定期接種の対象となっていなかった又は一回接種であった年代の者に対して、確実に予防接種を行うことが感染拡大を防ぐ唯一の方法であると考えます。
本年四月末からは大型連休が始まり、人の移動も活発になります。また、本年はラグビーのワールドカップが開催され、海外から多くの旅行者が訪日し、麻しんが国内に持ち込まれるリスクが昨年以上となることも予想されます。
このような現状を踏まえ、風しんのみならず、麻しんについても定期接種の対象者の拡大を図り、定期接種の対象となっていなかった又は一回接種であった年代の者に対して、確実に予防接種を行うようにすべきであると考えますが、政府の見解を伺います。
右質問する。