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令和元年五月二十八日提出質問第一九二号
成田空港・羽田空港へ着陸する航空機の落下物防止のための洋上脚下げに関する質問主意書
提出者 松原 仁
成田空港・羽田空港へ着陸する航空機の落下物防止のための洋上脚下げに関する質問主意書
一 成田空港へ着陸する航空機の洋上脚下げについて
成田空港(NAA)ホームページ(https://www.naa.jp/jp/csr/ohanashi/falling/falling03.html)を参照したところ、「国土交通省・NAAはできるだけの努力をしてきました。その代表的な例が南側から着陸する場合の洋上脚下げ方式の実施です。はじめは航空会社に協力を呼びかけていましたが、その後、航空関係者にとって必要な情報を提供する文書(航空路誌)に掲載し、さらに航空機に無線で連絡して、洋上脚下げ方式の実施を徹底するようにしました。こうした対策によって、落下物(とくに氷塊)は大幅に減ったのです。現在も国土交通省・NAAは共生委員会の立会いのもと、実際に脚下げをしているかどうか、蓮沼海岸(九十九里浜)で定期的にチェックしています。」との記述がみられる。
1 国土交通省とNAAが洋上脚下げ方式の実施を決定したのは、いつ開催されたどのような合議体の場においてか。洋上脚下げの実施を決定した文書は存在するか。
2 当時、成田空港で洋上脚下げの実施を航空会社に奨励し始めるきっかけとなった落下物減少の根拠をお示しいただきたい。
3 洋上脚下げの実施によって、成田空港へ着陸する航空機からの落下物が大幅に減ったと考えられる根拠をお示しいただきたい。具体的に航空機が一機着陸するにあたり確認される陸地への落下物(氷塊とそれ以外)の割合は、洋上脚下げ実施前に比べてどの程度減っているか。
4 成田空港へ着陸する航空機の洋上脚下げの実施は、南側から着陸する場合に行われており、北側から着陸する場合には民家の多い地域を「脚下げ」回避エリアとして設定し、当該エリア上では脚下げを実施しないよう全航空会社に国土交通省が指導するとの報道があった(千葉日報二〇一二年六月一五日付け)。この報道内容は事実か。また、現在までにこの指導の変更がある場合、その変更の内容をお示しいただきたい。
二 成田空港以外の国内空港において着陸前の洋上脚下げを奨励している空港はあるか。
三 羽田空港の新飛行経路計画における、着陸時の脚下げについて
1 羽田空港における現行経路では北風時、南風時ともに海側から着陸するため、洋上脚下げを実施していると考えられるが、羽田空港へ着陸する航空機の洋上脚下げの実施に関する何らかの指導や取り決めはあるか。またその実施をチェックする仕組みはあるか。
2 新飛行経路計画において、南風時に羽田空港のA滑走路及びC滑走路に北側から着陸する航空機が洋上脚下げを実施することは可能か。
3 2に関連して、陸地から着陸する航空機の洋上脚下げの実施が困難な場合、「脚下げ」回避エリアの設定を検討しているか。している場合、回避エリアに含まれると考えられる範囲、もしくはその範囲を定める場合の基準となる要素を、民家の数、住民の数、企業や団体の数、往来する人や乗り物の数、その他あれば明示的にお示しいただきたい。
4 成田空港へ着陸する航空機における洋上脚下げの実施が落下物による被害のリスクを低めたとすれば、羽田空港へ着陸する飛行機が洋上脚下げから陸地上での脚下げ方式に変わった場合、直下に生活する人や建造物への落下物による被害のリスクは高まると考えられるが、政府のご認識はいかがか。また、そうした落下物(特に氷塊)へのリスク回避のための方策を決定、もしくは検討しているか。
右質問する。