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令和元年六月十八日提出質問第二四九号
デジタル上の人権(人格権)の尊重に反する中華人民共和国国家情報法に関する質問主意書
提出者 松原 仁
デジタル上の人権(人格権)の尊重に反する中華人民共和国国家情報法に関する質問主意書
「中国の国家情報法」(『外国の立法』第二七四号、国立国会図書館調査及び立法考査局)によると、中華人民共和国(以下「中国」という)は、平成二十九年六月二十七日、国家情報法を制定し、翌二十八日同法を施行している。
同法は、第十条で、国家情報活動機構は、業務上の必要に基づき、法に従い必要な方法、手段、経路を利用し、国内外で情報活動を行う旨規定している。そして、第七条で、国民と組織は、法に基づいて国の情報活動に協力し、国の情報活動の秘密を守らなければならず、国は、そのような国民及び組織を保護する旨規定している。
これら規定によると、日本国内の旅行者も、定住者も、中国人である以上、中国の国家情報活動機構から情報活動の協力を求められた場合には、協力する義務を負うこととなる。
したがって、中国国家情報法の規定の適用を受けない日本企業であっても、当該企業に中国人が関係している場合、そのような中国人が、中国の国家情報活動機構に協力を求められた場合には、中国国家情報法に基づいて協力を義務付けられる。そのため、日本企業が保有するデジタル情報が不当に中国の国家情報活動機構により収集される現実的潜在的危険性が現に認められる。
そこで、次のとおり質問する。
1 個人のデジタル情報を真摯な明示の同意なく収集されない利益は、人が尊厳を持ってデジタル生活をおくるために不可欠である。そして、このように、真摯な明示の同意なく個人のデジタル情報を防犯カメラなどで収集されない権利は、人が尊厳を持ってデジタル生活をおくることができる人権(人格権)に含まれる。そのようなデジタル上の人格権が侵害される現実的潜在的危険性を把握するために、デジタル上の人格権の侵害を容認している他国の国民を雇用している日本企業の割合及び雇用人数を把握しているか。
2 前項において、政府が、デジタル上の人権(人格権)の侵害を容認している他国の国民を雇用している日本企業の割合及び雇用人数を把握していない場合に、日本企業に対して、デジタル上の人権(人格権)の侵害を容認している他国の国民を雇用している日本企業の割合及び雇用人数を届け出ることを義務付けることを検討しているか。
右質問する。