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令和元年十二月三日提出
質問第一三一号

外国人専用医療ツーリズム病院をめぐる神奈川県からの要望に対する政府の取り組みに関する質問主意書

提出者  早稲田夕季




外国人専用医療ツーリズム病院をめぐる神奈川県からの要望に対する政府の取り組みに関する質問主意書


 外国人専用医療ツーリズム病院の開設をめぐる問題について、私はこれまで何度か国会で取り上げてきたが、本年十一月十一日に神奈川県は、「医療ツーリズムと地域医療との調和に向けた国のルールを整備することを求める要望」を、川崎市長との連名で厚生労働大臣あてに提出した。そこで以下、質問する。

一 今回の神奈川県及び川崎市からの要望について、政府はどのように受け止め、いつまでに対応するつもりか。要望にもある通り、医療ツーリズムと地域医療の調和は全国共通の課題であって、政府が主体的に法改正を含め必要なルールを整備すべきと考えるが、政府の見解をあきらかにされたい。
二 二〇一九年三月十二日に受領した答弁書において、患者の国籍のみを理由として診療を拒むことは、医師法第十九条第一項に反するとの答弁があったが、日本人に対する保険診療を行わないと公言し、外国人専用病床のみを有する外国人専用医療ツーリズム病院の開設申請は、医療法第一条に反すると考えるが、政府の見解をあらためて伺う。
三 病院の構造設備及び人員要件のみ満たせば開設できるとの解釈に立つのであれば、保険診療を一切行わない、自由診療病床のみを有する自由診療専門病院の開設も可能となるが、わが国の誇る皆保険制度との整合性はどのように考えているのか。
四 自由診療病床のみを有する自由診療専門病院の開設が可能だとすると、病床の開設を拒否する知事権限が及ばない民間病院による自由診療病床の開設さえも、地域医療計画上の過剰病床圏域において可能となってしまうのではないかと考えるが、現在政府が推進している地域医療構想との齟齬や、不足する医療人材への影響はどのように考えているのか。また仮にその病院が、普段は原則日本人を対象としないながら、当該医療圏における日本人の救急医療の一端のみ担うとした場合は、どのように考えるのか。
五 神奈川県からの要望を受けての必要な法整備ないしルール作りを政府が実現するまでの間に、川崎市以外の地域でも同様の外国人専用医療ツーリズム病院の構想が同時多発的、または連鎖的に生じた場合、政府としてどのような対応をするつもりか。行政指導等をせず、なんら権限のない地方自治体にその対応を丸投げするつもりか。もしそのような対応をするのであれば、一定規模の自由診療市場の形成や皆保険制度の綻びの拡大など、地域医療構想並びに皆保険制度に深刻な悪影響が生じると考えるが、政府の見解をあきらかにされたい。
六 内閣官房の健康・医療戦略推進本部の関係会議である医療国際展開タスクフォースの下の八つのワーキンググループにおいて、数年経ってもいまだに議事概要を公表していない会議がいくつか見受けられる。どのような基準で公表する回と公表しない回を整理しているのか。持ち回り開催は別として、特定されると困る事業者名が出てくるというのであれば、該当部分を墨塗りするなどして、少なくとも議事概要は公開するべきではないか。医療ツーリズムと地域医療、国民皆保険制度の調和については、とりわけすべての国民の健康、安心に関わることであり、国民の関心も高いことから、インバウンド・ワーキンググループがたった一度の会合について何年も議事概要を公開していないのは、政策立案過程の透明性を確保する上で、不適切ではないか。

 右質問する。

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