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令和元年十二月三日提出
質問第一三四号

筋ジストロフィー患者の在宅療養への移行に関する質問主意書

提出者  早稲田夕季




筋ジストロフィー患者の在宅療養への移行に関する質問主意書


 「独立行政法人国立病院機構を構成する病院に入院している筋ジストロフィー患者の在宅療養への移行に関する質問に対する答弁書」(以下、「答弁書」という。)において「必要な在宅療養への移行支援を行っていると承知しているところであり、同省としては、必要に応じて当該患者の在宅療養への移行の実態について把握してまいりたい。」との答弁があったが、これについて質問する。

一 障害者の権利に関する条約第四条3では、締約国は政策決定過程から障害者を代表する団体を通じ、障害者と緊密に協議し、及び障害者を積極的に関与させることと記されているが、答弁書の三の「同省としては、必要に応じて当該患者の在宅療養への移行の実態について把握してまいりたい。」の部分にかかわる調査内容について、その決定過程から障害者を代表する団体を参画させていくつもりがあるのか、政府の見解を明らかにされたい。
二 独立行政法人国立病院機構の機能には、厚生労働大臣の求めによる、いわゆるセーフティーネット領域の医療があり、二十六の病院で筋ジストロフィー患者の入院の受け入れを行っている。その中には、長期の療養が必要なために入院しているのではなく、地域の資源が不足しているために在宅療養への移行ができずにいる社会的入院患者がいることが、二〇一九年六月から十一月にかけて、全国三十五の自立生活センター及び研究者等で構成される「筋ジス病棟の未来を考えるプロジェクト」が療養病床に入院中の筋ジストロフィーの患者本人に対して行った聞き取り調査によって、あきらかになった。そこで政府としても、障害保健福祉部が中心となって独立行政法人国立病院機構の二十六の病院における筋ジストロフィーの社会的入院患者の有無や人数、不足している地域の資源、在宅療養への移行を阻む要因などの実態を、あきらかにする必要があるのではないか。
三 独立行政法人国立病院機構を構成する二十六の病院は、筋ジストロフィー患者の入院を療養病床で受け入れている。療養病床は、第七期医療計画において基準病床の算定に基盤整備量の定めがなく、第五期障害福祉計画に基づく国の基本指針においても地域移行の数値目標の対象とはされていない。このことについて、第五期障害福祉計画の基本的理念に基づく「入所等から地域生活への移行、地域生活の継続の支援」の観点から、どのように考えているのか、政府の見解をあきらかにされたい。
四 政府は、第五期障害福祉計画の基本的理念に基づいて「入所等から地域生活への移行、地域生活の継続の支援」に取り組んでいると承知しているが、医療計画及び障害福祉計画においても病床削減や地域生活への移行について目標値を掲げて取り組むべきではないか。また、第五期障害福祉計画の基本的理念と筋ジストロフィー患者の長期入院の問題を地域医療構想及び第七期医療計画の観点からどのように整理しているのか。政府の見解をあきらかにされたい。
五 独立行政法人国立病院機構を構成する二十六の病院を含む全国の療養病床における入院中の患者の重度訪問介護の利用について、その実態を把握するべきと考えるが、政府の見解をあきらかにされたい。
六 二〇一二年四月一日から社会福祉士及び介護福祉士法の一部改正が施行され、「喀痰吸引・経管栄養」という医行為の一部を、医療資格を持たなかった介護職員等が、認定特定行為業務従事者認定証を得て一定の条件の下、実施できるようになった。これによって入院中の筋ジストロフィー患者は、外出・外泊の際に三号研修を受講した重度訪問介護従業者から喀痰吸引等の医療的ケアを受けられるようになった。「社会福祉士及び介護福祉士法の一部を改正する法律の施行について(喀痰吸引等関係)」(平成二十三年十一月十一日社援発千百十一第一号厚生労働省社会・援護局長通知)においては、対象者の状態が比較的安定している場合には医療機関での実地指導が認められているにもかかわらず、実施主体である都道府県の多くで医療機関での実地指導を認めていないという情報を耳にした。その実態を調査し、通知の周知徹底を図るべきと考えるが、政府の見解をあきらかにされたい。
七 独立行政法人国立病院機構は、患者目線に立った安心・安全で質の高い医療の提供のために患者満足度調査を継続して実施していると承知している。「平成三十事業年度における業務の実績に関する評価結果及び第三期中期目標期間における業務の実績に関する評価結果」においては、「@患者の目線に立った医療の提供」の評価の中で、法人の業務実績・自己評価は目標を達成したとしている。また主務大臣には、「平成三十年度患者満足度調査では、総合評価、個別評価ともに前年度に引き続き全体として高水準を維持しているほか、各病院においても必要な改善が図られていることを評価する。」と報告している。障害者権利条約の趣旨を鑑みれば、患者満足度調査の趣旨である「患者目線に立った安心・安全で質の高い医療の提供」においては、調査項目や評価結果において、患者及び障害当時者を代表する団体からの意見を反映させるべきであると考えるが、政府の見解をあきらかにされたい。

 右質問する。

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