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令和元年十二月四日提出
質問第一七一号

災害による避難が確実に予見される段階での自衛隊の自主的判断による出動に関する質問主意書

提出者  早稲田夕季




災害による避難が確実に予見される段階での自衛隊の自主的判断による出動に関する質問主意書


 災害が深刻化し、自衛隊員や消防隊員による救助のコストが増大する前に、事前に災害弱者の避難を支援することができれば、自らの命を危険にさらす救助者にとってもよいことではないかと考える。他方でシビリアンコントロールの観点から確認したい事項もあるので、以下質問する。

一 防衛省によれば、災害による避難が確実に予見される段階で、都道府県知事の要請がなくても、自衛隊法第八十三条第二項に基づき、自衛隊の自主的判断で派遣できるとのことだが、総理大臣ないしは関係大臣の判断での要請もできるか。
二 二〇一九年八月十五日の台風十号襲来の際、三重県からの要請がない段階で、台風上陸前に自主的に三重県の熊野庁舎に三十名を派遣したとのことだが、これは自衛隊の統合幕僚長の判断によるものか。あるいは誰の判断によるものか。
三 なぜ、三重県熊野庁舎だけに派遣したのか。判断の基準や根拠はどのようなものか。あきらかにされたい。
四 二〇一九年十月十三日の深夜、台風十九号で被害のあった神奈川県山北町において、県知事から出動要請がない中で、自衛隊の給水車が町に到着したにもかかわらず、県知事からの要請がなかったがために、実働せず、撤退したという事例が発生した。現場の状況に柔軟に対応できるよう、この教訓を生かすべきではないか。
五 国連ESCAP(アジア太平洋経済社会委員会)によれば、国際的には、災害は「Hazard(危険)+Vulnerability(脆弱性)÷Capacity(対応能力)」と定義されているとのことだが、日本の法制度ではどのように定義しているか。
六 国会図書館の調査結果によると、オーストラリアにおいては、総理大臣、国防大臣及び法務大臣に、軍隊の国内出動に関する権限を広く認めており、自然災害が予見できると担当大臣が十分納得した時は、地方政府からの要請がなくとも総督が軍隊の使用を命令できるとのことであり、またフランスでは内務省が災害対処で中心的な役割を果たしており、軍隊組織の一部として常設されている「民間安全訓練・出動部隊」は内務大臣の指揮下にある。この二か国における判断基準はどのようになっているか、また災害の深刻さを数量化するしくみがあるのかどうか、政府として把握しているところをあきらかにされたい。もし把握していないのであれば、在外公館を通じて調査研究するべきではないか。
七 災害が深刻化し、自衛隊員や消防隊員による救助のコスト(経費のほか、救助者の精神的、身体的リスクを含む)と、事前に災害弱者の避難を支援するコストの比較を行うべきではないか。行っているのであれば、その結果をあきらかにされたい。

 右質問する。

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