衆議院

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令和二年十月三十日提出
質問第五号

不在者投票制度に関する質問主意書

提出者  丸山穂高




不在者投票制度に関する質問主意書


 選挙における投票は、選挙の当日、投票所において行うことを原則とするが、選挙人が選挙期日に投票しにくい状況にある可能性を考慮し、投票機会の創出や利便性の向上のために、選挙期日前にあらかじめ投票できる制度として期日前投票制度及び不在者投票制度を設けている。
 右を踏まえ、以下質問する。

一 所在地における不在者投票は、選挙人が郵送で投票用紙を所属地の選挙管理委員会(以下「選管」という。)に申請し、所属地の選管が選挙人へ投票用紙などを郵送する。選挙人は投票用紙を受け取り、所在地の選管で投票後、所在地の選管が所属地の選管へ投票用紙を郵送する制度である。
 1 不在者投票の手続に伴う郵送日数により、選挙人は所在地の選管で投票できる日数が大きく制限される。所属地の自治体の判断により、選挙人は投票用紙をオンラインにより請求することが可能であるものの、実施自治体は少ないと思われる。政府において取りまとめているのであれば、最近における不在者投票の投票用紙をオンライン請求できる自治体数を伺いたい。
  また、政府は自治体が不在者投票の投票用紙のオンライン請求を導入しない具体的な課題を把握しているか。把握しているのであれば、詳細を伺いたい。さらに、自治体へ不在者投票の投票用紙などのオンライン請求の導入の支援を行うことで投票環境の向上に繋がると考えるが、政府の見解を問う。
 2 平成三十年八月に公表された「投票環境の向上方策等に関する研究会報告」には、所在地における不在者投票において、二重投票を防止する仕組みを構築した上で、あらかじめ所属地選管から交付された投票用紙を持参することなく、所在地選管において投票用紙を受け取り、その場で投票を行うことができれば、選挙人の負担軽減や、郵送時間が不要になる等の時間短縮による投票期間の確保につながる旨の検討結果がまとめられている。投票用紙が異なることから、選挙人の投票の秘密の保持、開票作業のための投票用紙の様式の統一等の工夫は必要であるものの、導入されれば投票環境の向上に繋がると考えるが、検討結果についての政府の取組状況及び見解を問う。
 3 平成二十九年の衆議院議員選挙において、三十の自治体の選管では、学生及び勤労者などについて、所属地に住民票を置くものの、居住実態がないとして選挙人名簿のみ削除した結果、投票することができない例があった。これに対して、政府は「選挙人名簿の登録・抹消に係る被登録資格の確認等の取扱いについて」(平成三十年三月二十八日)により、住民基本台帳と選挙人名簿の整合を取るよう対応を求めた。政府において取りまとめているのであれば、通知を発出したのち、通知に従い整合させた自治体数、及び住民票があるにもかかわらず選挙人名簿から削除したまま整合していない自治体数を伺いたい。
 4 オンラインなどICT(情報通信技術)の活用により、所属地選管と所在地選管との間で投票用紙などの交付済の確認、二重投票を防止する仕組みが迅速に実現すると考えられる。政府によるデジタルガバメントの検討においては、ICTの活用による不在者投票に伴う郵送の問題を解消し、投票環境の向上に繋げることを検討する必要はないか、政府の見解を問う。
 5 今国会において郵便法等改正案の提出が予定されている。報道によると、同改正案は、普通郵便物の土曜配達を取りやめ、差出しから配達までの日数について原則三日以内から四日以内とするものである。実務上、簡易書留速達を用いると聞いているが、政府は、同改正が不在者投票制度へ与える影響について、調査を進めているか、詳細を伺いたい。
  また、令和三年秋と報道される同改正の施行までに、不在者投票において郵便を利用する場合について対応策を実施しなければ、選挙人は投票可能期間を充分に確保できず、投票環境の低下に繋がると考えるが、政府の見解を問う。
二 米国大統領選挙における郵便投票制度の報道に伴い、日本の郵便等投票制度に関する報道が見られる。我が国では、選挙人は、身体障害又は要介護について所定の区分に該当した場合にのみ、郵便等投票を利用することができる。
 1 選挙人が特定感染症にり患した場合、投票機会はどのように確保されるのか。入院した場合及び自宅療養の場合、それぞれ詳細を伺いたい。
 2 新型コロナウイルス感染症発症者及び濃厚接触者となった場合、選挙人は入院が不要であれば宿泊療養、自宅療養又は自宅待機となる。外出ができない選挙人は投票手段を持たないが、投票所における感染拡大を防ぎつつ、投票機会を確保するため、郵便等投票制度の対象者について見直すことも必要ではないか、政府の見解を問う。また、現状の選挙において、新型コロナウイルス感染症発症者及び濃厚接触者は、自ら感染予防策を講じれば、期日前投票又は期日投票を行ってよいか、政府の見解を問う。

 右質問する。

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