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令和二年十一月二十七日提出
質問第五一号

島しょに準島民制度を導入することによる振興策に関する質問主意書

提出者  松原 仁




島しょに準島民制度を導入することによる振興策に関する質問主意書


 島しょ地域が抱える課題の中でも、人口減少による活力の低下は極めて深刻な問題で、様々な施策を講じて取り組むべき、重要かつ緊急な課題である。
 島しょ部地域の活性化は、必ずしも移住のみによって達成されるものというわけではなく、島しょ部への物理的、心理的なアクセスを改善することにより、人的交流を促進し、地域経済の活性化につなげることも可能である。
 例えば、佐渡島においては、大学入学等で島外に住民票を移す島民に、「準島民」という扱いを行い、佐渡島と新潟県との間のフェリーの運賃等に島民割引きを適用するという。この考え方を敷衍するならば、佐渡島出身者で、東京に住民票を持つ佐渡島の住民に対し「準島民」として、島民に準じた行政サービスや特典を与え、島との物理的、心理的距離を縮めることも検討されよう。こうした施策により、帰省のみならず、元島民のUターン就職や転職を促すことにつながるであろう。退職後に故郷に戻ることで、本土で活用した知識や知見を故郷に貢献することの可能性を大きくするものであるといえる。
 また、島しょで生まれ育った者でない場合でも、第二の故郷のような意識付けをして、島への愛着のみならず、何らかの「関係」を保ち、来訪者や移住者の増加、地域経済の活性化につなげることも可能であろう。「島留学」や、ワーケーション、リモートワーク、ふるさと納税とリンクした島民割引等が具体例である。
 全国町村会が今月公表した「コロナ下・コロナ後社会を見据えた町村からの日本再生に関する提言〜地域発・価値創生社会の実現に向けて〜」と題する提言においても、「二地域居住、サテライトオフィス、ワーケーション等を一層積極的に促進するとともに、中山間・離島地域等遠隔の地方部でのテレワーク・リモートワーク等を更に行いやすくするための制度面・税財政面も含めたハード・ソフトの環境づくりを加速する必要がある」旨提言されている。また、同提言では、「田園回帰の潮流の本格化やリモートワーク・サテライトオフィス・二地域居住等の活発化、関係人口の一層の拡大等と連動しながら、企業版ふるさと納税制度の発展や地方の受入側自治体による「ふるさと住民制度」をはじめとする都市住民との交流活発化への支援促進策の充実」を求める旨の提言もなされている。
 新型コロナウイルス感染症発生後、進化のスピードが加速する情報通信技術を駆使し、場所を選ばない新しい生活、働き方が急速に広がる社会において、多地域居住が一般化するとともに、一定の場所に固定化されない、一人が様々な地域と「関わり」を持つ量と深度が増している。言い換えれば、ある地域に物理的に住まう「人口」から、その地域に何らかの関係を持つ「関係人口」の多寡が、その地域の活性化に大きく影響しているといえる。
 そこで、次のとおり質問する。

一 政府においては従来の、国民一人に一つの「住民票」という、一つの住所にとらわれる制度から大胆に発想を転換して、その島との何らかの関係を持つ者に「準島民」、「ふるさと住民」制度を公的に認め、準島民やふるさと住民を持つ人を「関係人口」としてカウントする、といった制度設計及び財政支援を検討することについて政府の見解は如何。

 右質問する。

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