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令和三年四月二日提出
質問第八八号

東京オリンピック・パラリンピック競技大会と新型コロナウイルス感染症対策等に関する質問主意書

提出者  中谷一馬




東京オリンピック・パラリンピック競技大会と新型コロナウイルス感染症対策等に関する質問主意書


 令和二年十二月二日に公表された「東京オリンピック・パラリンピック競技大会における新型コロナウイルス感染症対策調整会議 中間整理」(以下「中間整理」という。)等に関して、以下質問する。

一 東京オリンピック・パラリンピック競技大会に関係する人々の詳細と訪日外国人数について
 1 東京オリンピック・パラリンピック競技大会を無観客又は国内の観客のみで開催する際、中間整理六頁で対象とされたアスリート等(出場選手に加え、IOC(国際オリンピック委員会)/IPC(国際パラリンピック委員会)、IF(国際競技連盟)、NOC(国内オリンピック委員会)/NPC(国内パラリンピック委員会)に属し、選手と一体となって行動する者(審判、指導者(監督、コーチ)、トレーナー、練習パートナー、キャディ、スタッフ、ドクター、パラアスリート介助者等)をいう。以下同じ。)はそれぞれ何名程度の人員が関係し、日本国内で活動すると想定しているのか。
 2 1で質問したアスリート等のうち、それぞれ何名程度が訪日外国人であると想定しているのか、現時点における政府の想定を伺いたい。
 3 中間整理二十二頁において検討対象とされたアスリート等以外の大会関係者((1)主催者等(@主催者等(IOC、IPC、NOC、NPC、IF、マーケティングパートナー(MP))、A要人)、(2)メディア(オリンピック放送機構、放送権者、報道各社)、(3)大会スタッフ(@職員、A大会ボランティア、Bコントラクター)及び(4)都市ボランティアをいう。以下同じ。)はそれぞれ何名程度の人員が関係し、日本国内で活動すると想定しているのか。
 4 3で質問したアスリート等以外の大会関係者のうち、それぞれ何名程度が訪日外国人であると想定しているのか、現時点における政府の想定を伺いたい。
二 検査と隔離について
 中間整理六頁において、アスリート等に対して、出国時には、「出国前(七十二時間以内)に検査を受検し、「陰性」の検査証明を取得(※検査証明を取得できない国の扱いは更に検討)」、「入国前十四日間の健康モニタリングの提出を求める」等とされており、入国時には、「空港において検査を受検(検査結果判明まで、指示した待機場所に留まる)」とされている。
 1 これらの「検査」とはどのような検査を指すのか、示されたい。
 2 これらの「検査」には変異株のスクリーニング検査も含まれるのか、詳細を示されたい。また、含まれるとしたら何%くらいの方にスクリーニング検査を行う想定であるのか、現時点における見解を示されたい。
 3 PCR検査はその瞬間の保菌状態を判定する指標となるが、陽性だが陰性と判定される偽陰性も一定数の割合で発生するため、必ずしも新型コロナウイルスの陽性者を検査できるものではない。また、昨今ではフランスにおいてPCR検査をすり抜ける「ブルターニュ変異株」が発見されるなど、検査の在り方が非常に難しくなっている。日本への入国者に関しては水際対策として十四日間の待機措置(自主隔離)が本来的には求められると考えられるが、アスリート等には十四日間の待機措置が適用されるのか、現時点における想定について詳細を示されたい。
 4 中間整理七頁において検討対象とされた入国空港からホストタウン等を経由して選手村に移動するケースについては、十四日間の隔離措置は行わず、そのままホストタウン等に移動することを想定しているのか。また、その際には、どの程度のアスリート等やアスリート等以外の大会関係者の人員が移動することを想定しているのか、現時点における想定について見解を示されたい。
三 陽性者及び濃厚接触者の出場の是非について
 1 中間整理二十頁において、「無症状だが陽性判定が出たアスリートについては、再検査で陰性結果を得た場合には出場を認めるなど、予め定められた手順に従って最終診断し、競技参加の可否を判断する。」とされているが、繰り返し陽性であった選手は、無症状であっても出場できないという理解でよいか、見解を示されたい。
 2 中間整理二十頁において、「濃厚接触者の出場可否については、開催地の保健衛生当局の判断が優先されるという見解のIFが多かったことを踏まえ、引き続き国・都・組織委員会との間で対応を協議する。また、濃厚接触の可能性有りとしてリストアップされたものの、特定に至る前の者についての出場等の扱いについても整理を行う。」とされているが、どのような論点が検討され、どのような状態であれば出場できる、出場できないとされるのか、現時点における想定について詳細を示されたい。
四 選手村の想定について
 中間整理十二頁において、選手村の本村となる晴海は「ベッド数:一万八千ベッド(オリンピック)、八千ベッド(パラリンピック)」、「関係者数:選手団約一万八千人、来訪ゲスト/メディア等約二千人/日、スタッフ約八千人/日」とされているが、現在においてもこの想定には変わりないか、見解を示されたい。
 また、中間整理十三頁には、選手村の宿泊棟における対策として「選手団が多くの時間を過ごすスペース。戸数に限りがあり、一部屋あたり複数利用が避けられないため、各アスリート等が安心して過ごすことができるよう感染防止策を実施」と記載されているが、どの程度の平米数の部屋に何名から何名程度が同室で宿泊することを想定しているのか、具体例を交えながら現時点における想定について詳細を示されたい。
五 新型コロナウイルスワクチンについて
 IOCのトーマス・バッハ会長が、中国オリンピック委員会から、東京オリンピック・パラリンピック競技大会と二〇二二年北京冬季オリンピック・パラリンピック競技大会の出場者ら向けに新型コロナウイルスワクチン提供の申出があったと明らかにした。
 1 中国が提供すると申し出ているワクチンは、シノバック、シノファーム、カンシノ・バイオロジクスなど、中国のどの種類の新型コロナウイルスワクチンなのか、把握していれば伺いたい。
 2 把握していなければ、今後本件についてIOCや中国とコミュニケーションを取る想定があるか、見解を伺いたい。
 3 中国製の新型コロナウイルスワクチンは、ブラジル、トルコ、インドネシア、UAE(アラブ首長国連邦)などで使われているが、使用するには各国の薬事承認が必要となる。
  シノバック、シノファーム、カンシノ・バイオロジクスにはファイザーやアストラゼネカのような日本法人がなく、また、モデルナが武田薬品工業と行っているような日本企業との連携もないと承知している。
  ファイザーは、約三か月(令和二年十二月十八日〜同三年二月十四日)で薬事承認を取り付けたが、今は、アストラゼネカやモデルナなどの薬事承認も並行して行われているので、PMDA(医薬品医療機器総合機構)のリソース的にもこれら以外のワクチンが東京オリンピック・パラリンピック競技大会までに承認されるということは現実的には難しいと考えるが、この見解は政府の見解と相違がないか。もし相違があれば、政府は現時点において、中国製の新型コロナウイルスワクチンが東京オリンピック・パラリンピック競技大会までに薬事承認される可能性についてどのように考えているのか、所見を伺いたい。
 4 中国製の新型コロナウイルスワクチンを日本のアスリート等及びアスリート等以外の大会関係者が接種することは、現実的には難しいと考えるが、この見解は政府の見解と相違がないか。もし相違があれば、政府の現時点における想定について見解を伺いたい。
 5 現在日本で承認されているファイザーの新型コロナウイルスワクチンは、二十一日間の間隔をあけて計二回接種する必要があり、完全な効果が表れるのは二回目の接種から七日後である。東京オリンピック・パラリンピック競技大会までに効果を得るとすると、アスリート等及びアスリート等以外の大会関係者は遅くても六月中旬には一度目の接種を終える必要がある。
  六月頃には、高齢者への優先接種が行われている時期であると想定され、丸川珠代東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当大臣も、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催については、「ワクチン接種を前提としない」と明言していることを踏まえれば、日本のアスリート等及びアスリート等以外の大会関係者に新型コロナウイルスワクチンの優先接種が行われることは前提としていないという理解でよいか、政府の見解を確認したい。もし見解に相違があり、日本のアスリート等及びアスリート等以外の大会関係者に新型コロナウイルスワクチンの優先接種が行われる可能性があれば、政府における現時点の想定について見解を伺いたい。
六 東京オリンピック・パラリンピック競技大会の中止、再延期、無観客開催、観客数に上限を設けた上での開催などに関する政府の考え方について
 1 それぞれどのような見解を持っているのか、政府における現時点の考え方を伺いたい。
 2 政府としては再延期について、交渉の余地があると考えているのか、それとも何かしらの理由がありできないと考えているのか、詳細を交えながらご説明を頂きたい。
七 令和三年四月一日の毎日新聞の報道によれば、東京オリンピックの会場運営を担う企業への委託費の見積額を記した東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会作成の内部資料には、人件費単価として「運営統括」に最高で日額三十万円、「チーフ」に最高で日額二十万円、「ディレクター」に最高で日額二十万円など、計十ランクの役職に分類して設定されていると報じられている。これを踏まえ、以下質問する。
 1 委託費を積算する際の根拠となる参考値において、人件費単価が最高で日額三十万円と設定されていた事実を政府は承知しているのか、伺いたい。
 2 同報道において、委託先の企業は、実際の人件費単価については、「クライアントとの守秘義務で公表はできない」としている。
  しかしながら、これでは、肥大化している上に使われ方が見えない予算に対して多くの国民が懸念を持たざるを得ない状況である。
  守秘義務で個社名が特定される情報は開示できないとしても、匿名加工情報を公表することは可能であり、税金が投入されている組織の性質を鑑みれば、しっかりと説明する責任があると考える。
  そこで政府に提案をするが、計十ランクの役職に分類して設定された参考値があるということは、それらの参考値を元に委託を行っていると推察するので、実際にはそれぞれのランクについて、契約上の積算根拠としては平均して日額いくらとしているのか、政府として東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会に調査・公表を依頼してはどうかと考えるが、如何か。政府の見解を伺いたい。

 右質問する。

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