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令和三年四月七日提出
質問第九一号

GABA高蓄積トマトの安全性に関する質問主意書

提出者  宮川 伸




GABA高蓄積トマトの安全性に関する質問主意書


 日本政府はゲノム編集作物であるGABA高蓄積トマト(以下、本トマトという。)の届出をサナテックシード株式会社から二〇二〇年十二月十一日に受理した。サナテックシード株式会社は二〇二一年春から家庭菜園で野菜などを作っている消費者向けに苗を無償提供し、秋には生産者に本格的に販売する見込みである。一方で、本トマトに対する安全性の確認が不十分であるとの指摘がある。消費者が安全・安心な食材を手に入れることができるようにするために、以下質問する。

一 これまでに日本で承認されたゲノム編集作物はあるか。
二 これまでに世界の市場で流通しているゲノム編集作物はあるか。ある場合はどのような品目がどのような国で流通しているか。日本でも流通しているか。政府が把握しているところを答えられたい。
三 現在、日本国内で遺伝子組換え作物の栽培を行っている農家はあるか。ある場合はどのような作物か。
四 本トマトは動物を用いた毒性試験を行っているか。行っていない場合、なぜ必要ないのか。
五 遺伝子組換え作物の場合、動物を用いた毒性試験は要求されるか。
六 全ゲノムシーケンスの解析について
 1 本トマトは全ゲノムシーケンス解析を行っているか。行っていない場合、政府が必要ないと考えている科学的根拠は何か。
 2 全ゲノムシーケンス解析を行っていない場合、ゲノム編集を行うために使用した外来遺伝子の一部がゲノム中に挿入されていないか、あるいはゲノム内の一部配列の入れ替りや欠損などが起こっていないか確認する必要はないか、政府の見解を問う。
 3 もしゲノム編集を行うために使用した外来遺伝子の一部がゲノム中に挿入されていた場合、遺伝子組換え作物と同じ扱いになるのか。その場合、動物を用いた毒性試験は必要になるか。
七 オフターゲットの解析について
 1 本トマトの公開届出情報によると、オフターゲットの確認のために、CRISPRdirect及びCas-OFFinderの二つの解析ソフトが用いられている。「CRISPRdirectでは三塩基対のミスマッチまでを確認する条件で検索を行った結果、十五箇所のオフターゲット候補が示された。Cas-OFFinderではbulge sizeを二に、ミスマッチを三に絞り検索した結果、五十五箇所のオフターゲット候補が示された。これらの中から両者で共通して検索されたオフターゲット候補について変異の有無を調査した。」旨が記されているが、実際には何箇所のシーケンス解析が行われたのか。政府の把握しているところを答えられたい。
 2 Cas-OFFinderの検索で五十五箇所のオフターゲット候補が示されているのに、これら全てにシーケンス解析をしなくてよいと政府は考えるか。必要ないとする場合、その科学的根拠は何か。
 3 CRISPRdirectではミスマッチを三塩基対としているが、四塩基対のミスマッチでオフターゲットによる切断が起こらないと政府は考えるか。起こらないとする場合、その科学的根拠は何か。
八 EU(欧州連合)の対応について
 1 EU(欧州連合)は現時点でゲノム編集作物に対して動物を用いた毒性試験を義務付けているか。政府が把握するところを答えられたい。
 2 毒性試験を義務付けている場合、本トマトをEUに現時点で輸出する際、動物を用いた毒性試験の結果が必要になるか。
九 ゲノム編集作物については安全性について科学的に十分わかっていないところがあり、消費者から不安の声が上がっている。本トマトについて、政府の負担で遺伝子組換え作物と同等の安全性試験を行い、より多くの安全性データを蓄積することは社会的メリットが大きいと思われるが如何か。

 右質問する。

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