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令和三年六月九日提出
質問第一七五号

中国への軍事転用可能技術の供与に関する質問主意書

提出者  松原 仁




中国への軍事転用可能技術の供与に関する質問主意書


 本年一月一日付の読売新聞は、海外から優秀な研究者を集める中華人民共和国(中国)の人材招致プロジェクト「千人計画」に、少なくとも四十四人の日本人研究者が関与しており、日本政府から多額の研究費助成を受け取った後、中国軍に近い大学で教えていた事例もあると報じた。中国は民間の最先端技術を軍の強化につなげる「軍民融合」を国家戦略として推進し、最新鋭兵器を開発・導入するとともに、日本周辺でも覇権主義的な行動を強めていると読売新聞は警鐘を鳴らしている。中国軍に近い「国防七校」のうち北京理工大学のロボット研究センターに所属していた研究者は、読売新聞の取材に、「私の研究も、大学で進むロボットの研究も、軍事転用は可能だ」と語った。
 本職が平成二十八年五月十二日に開かれた衆議院北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会において、我が国の技術が北朝鮮の核開発やミサイル開発に使われた可能性が極めて濃厚であることについて感想を尋ねると、岸田文雄外務大臣(当時)は「我が国の科学技術が流出することによって我が国の国民の命や暮らしや安全保障が脅かされるとしたならば、これはゆゆしきことであり、これは許してはならないことであると思います」と答弁し、加藤勝信拉致問題担当国務大臣(当時)は「日本の、特に国公立の研究所等で研究をされている方々が、そこの情報を、特に我が国の安全保障に大変脅威のある国に対して持って出るということは、断固として許してはならない、こういうふうに私は思います」と答弁した。続いて本職が、特定技術の外国への提供について質問すると、高木陽介経済産業副大臣(当時)は「大量破壊兵器の開発などに転用され得る特定技術を外国において提供することを目的とする取引は、それを行おうとする者の国籍にかかわらず、これは外為法第二十五条第一項において、経済産業大臣の許可を要することになっておりますので、この許可をとらずに技術を提供した場合は外為法違反となります」と答弁した。
 これらを踏まえて、お尋ねする。

一 中国は、技術開発などの様々な分野において軍隊資源と民間資源の双方向での結合を目指す軍民融合政策を推進していると政府は認識しているか。
二 中国は、軍事利用が可能な先端技術の開発・獲得に積極的に取り組んでいるか、また、その先端技術には、将来の戦闘の様相を一変させる技術、いわゆるゲーム・チェンジャー技術が含まれるか、政府が把握しているところを答えられたい。
三 中国政府、企業、大学等の関係者が、先端科学技術を有する我が国の企業等を積極的に訪問するとともに、あらゆる機会を通じて中国への進出や共同研究、技術提供を働き掛けるなどの動きが見られることについて政府の認識を問う。
四 米国で、中国の「千人計画」などの人材招致計画への参加について虚偽申請を行ったなどとして、大学・研究機関関係者が逮捕された事案について、政府は承知しているか。承知しているならば、何件くらいあったか。
五 米国のクリストファー・レイ連邦捜査局(FBI)長官は昨年七月七日、「FBIは、十時間に一件の割合で、中国に関連した新たな諜報事案の捜査に着手している」と述べたが、我が国の同盟国である米国は、中国によるスパイ活動をどの程度深刻に捉えていると政府は考えるか。
六 いわゆる外為法第二十五条第一項において、大量破壊兵器の開発などに転用され得る特定技術を提供することを目的とする取引を特定の外国と行おうとするときは経済産業大臣の許可を受けなければならないと定められている。「特定の外国」に、中国は含まれるか。
七 外為法第二十五条第一項の規定に違反した者に対する罰則規定を示されたい。
八 外為法第二十五条第一項の「特定の外国」に中国が含まれるならば、本職は元国家公安委員会委員長として、違法行為について徹底した取締りを推進すべきと考えるが、政府の見解如何。

 右質問する。

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