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令和三年六月十日提出
質問第一八九号

精神科病院における患者虐待防止のための取組みに関する質問主意書

提出者  櫻井 周




精神科病院における患者虐待防止のための取組みに関する質問主意書


 神戸市西区にある神出病院において看護師らによる患者に対する虐待事件が二〇二〇年三月に発覚した。この事件は、内部通報ではなく別の事件の捜査で発覚したものである。
 神出病院での事件を受けて、厚生労働省が二〇二〇年に実施した調査によれば、二〇一九年度までの五年間に地方自治体が把握した、精神科病院内での虐待の疑いがある事案は、合わせて八十九件で、このうち暴行が全体の六割以上にあたる五十七件、暴言が十四件、猥褻行為が七件などとなっている。ただし、地方自治体が虐待を把握したきっかけは、病院の内部通報は全体の約半分で、残りの半分は患者や家族、匿名の人からの通報などで発覚していた。このことから、虐待の疑いがある事案は氷山の一角にすぎないのではないか、という指摘がある。精神科病院の改善の必要性に鑑み、以下、質問する。

一 精神科病院で虐待が発生する原因として、精神科病院の持つ閉鎖性があげられる。行政及び精神医療人権センターが、精神科病院の病棟へ視察し、患者等から聞き取りを行うなどして精神科医療にかかる患者の権利擁護制度の整備が急務と考えるが、政府の取組み如何。
二 日本では身体拘束の件数が激増している。厚生労働省の調査によれば、二〇一九年六月三十日時点の身体拘束件数(拘束指示が出ている人の数)は一万八百七十五人であり、五千人超だった二〇〇〇年代から倍増している。身体拘束がエコノミークラス症候群に結びつきやすいことは明らかであるにも拘わらず、身体拘束が頻繁に行われ死亡事例は少なくない。我が国の精神科医療における身体拘束の多さは世界的に見ても異常であり、大幅に削減すべきであると考えるが、政府の取組み如何。
三 いわゆる障害者虐待防止法においては、障害者福祉施設従事者等及び使用者による障害者虐待については地方自治体への通報義務が課されることによって障害者の虐待防止を図っているところ、医療機関従事者による障害者虐待についても同様に通報義務を課すことを提案するが、政府の見解如何。

 右質問する。

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