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令和三年十一月十日提出
質問第九号

柔軟仕上げ剤等によるいわゆる「香害」の調査等に関する質問主意書

提出者  前原誠司




柔軟仕上げ剤等によるいわゆる「香害」の調査等に関する質問主意書


 独立行政法人国民生活センターが令和二年四月九日に公表した「柔軟仕上げ剤のにおいに関する情報提供」(以下「国民生活センター情報提供」という。)によると、「柔軟仕上げ剤のにおい」に関して、年間百三十から二百五十件程度の相談が寄せられている。その相談内容は、他人が使用した柔軟仕上げ剤のにおいにより、呼吸器障害、皮膚障害、頭痛、吐き気、めまい等が発生したとするものが多い。いわゆる「香害」と呼ばれるものであり、多種の微量な化学物質に反応する「化学物質過敏症」の一因との指摘もある。「化学物質過敏症」は、花粉症のように、誰にでも起こる可能性があるとも言われている。
 この「香害」については、消費者庁、文部科学省、厚生労働省、経済産業省及び環境省の五省庁による「その香り困っている人がいるかも?」と題されたポスターも作成されている。
 また、学校における「香害」に関して、令和三年二月二十六日の予算委員会第四分科会において、萩生田文部科学大臣が「においというのは人によって好き嫌いがいろいろあるかもしれないんですけれども、実際に体に異常を来して、ましてや学校に来れなくなるという児童がいるというようなことだとすれば、これは極めて重い課題だというふうに思います。」と答弁しており、各教育委員会での取組も行われていると承知している。
 「香害」については、周知啓発に加えて、更なる施策が必要と思われるので、以下質問する。

一 令和二年十月二日「衆議院議員丸山穂高君提出柔軟仕上げ剤等によるいわゆる香害に関する質問に対する答弁書」(内閣衆質二〇二第一五号。以下「政府答弁書」という。)において「『いわゆる香害と化学物質との因果関係』に係る調査や研究については、実施していない。」と答弁されているが、これまで政府において「香害」の原因となる物質、健康被害の発生状況等について調査又は研究を行ったことがあるか。行ったことがある場合には、その結果の概要を示されたい。行ったことがない場合には、今後行う予定はあるか。
二 政府答弁書において、柔軟仕上げ剤を家庭用品品質表示法の指定品目に追加し、香料を含めた成分表示を義務付けることの必要性について「政府としては、引き続き、こうした各事業者による取組の効果を注視していきたい」と答弁されているが、「注視していきたい」という政府の考えに変化はないか。また、洗濯用合成洗剤や衣料用漂白剤が指定品目とされ、柔軟仕上げ剤が指定品目とされないのはなぜか。
三 消費者庁、文部科学省、厚生労働省、経済産業省及び環境省の五省庁による「その香り困っている人がいるかも?」とのポスターは、「柔軟剤などの香りで頭痛や吐き気がする」、「不快に感じる」、「香りの強さの感じ方には個人差があります」と記載されてはいるものの、このポスターでは、実際の「香害」の被害が具体的に伝わらないように思われる。国民生活センター情報提供によって明らかとなった年間の相談件数や被害の状況を示すとともに、香料等に含まれる化学物質により健康被害がもたらされる可能性について、注意喚起や普及啓発をする必要があると考えるが、政府の見解を伺う。
四 令和三年二月二十六日の予算委員会第四分科会において、政府参考人が「学校環境衛生基準の中では、学校の建物それから大きな設備、備品等から発せられる物質で、いわゆるシックハウス症候群、通称シックスクールというものがあり、それについて正確な検査をする際に、子供たちがいない状態での検査を行わせていただいている」と答弁をしている。学校における安全性の検査ならば、子供たちがいる状態での検査が実態に即しているように思われるが、「子供たちがいない状態での検査」が「正確な検査」となる理由を説明されたい。また、学校において「香害」による健康被害を訴える児童生徒の調査や研究はされているか。

 右質問する。

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