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令和四年三月三十日提出
質問第三七号

食の安全に関する質問主意書

提出者  長妻 昭




食の安全に関する質問主意書


 食の安全について、お尋ねする。

一 今回の食品添加物表示のガイドライン改定(消費者庁「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」等)によって「無添加」「不使用」との表示ができなくなると聞く。
 1 それは事実か。仮に本当に添加物を使用していない食品であっても「無添加」と表示できなくなるのか。そうである場合、合理的な理由をお示し願いたい。
 2 「人工甘味料不使用」との表示は事実であっても不可能となるのか。そうである場合、合理的な理由をお示し願いたい。政府は「表示が事実なら禁止しない」と説明するが、それはどのように確認するのか。
 3 不使用表示ガイドラインでは食品添加物使用について加工助剤も含むとされている。例えば、塩、砂糖、水道水を使用したら無添加という表示は不可能となるのか。
二 欧米(米国又はEU)のいずれかの国で安全性の問題で使用できない食品添加物を、新たに日本で使用可能としたケースについてお尋ねする。
 1 そのような食品添加物があれば、使用可能とした理由とともにすべての物質名をお示し願いたい。
三 食品添加物である臭素酸カリウムは安全性等の観点からEU等で使用することができない。しかし、日本では加工助剤として、生産段階で使用されても最終商品に残留しないことを条件に使用が認められている。
 1 つまり、臭素酸カリウムの残留基準値は零(ゼロ)ということでよいのか。また、生産の途中で消滅して製品(完成品)には残留しないことは、誰によってどのように確認されるのか。また、国は臭素酸カリウムを使用した食品について、年間何検体、残留していないことを検査で確認しているのか。また、国、自治体、民間で、臭素酸カリウムの残留を確認する検査手法は確立しているのか、このような検査ができる機関は全国で何か所あるのか、政府の把握しているところを答えられたい。また、これまで小売店からは、臭素酸カリウムが最終商品に残留していたケースが報告されているが、政府として把握しているケースがあれば把握時期別に、すべてお示し願いたい。また、臭素酸カリウムが残留したケースに関して、政府には責任は無いのか。また、残留がないことを確認する仕組みに不備があると考えるが、いかがか。
 2 臭素酸カリウムを加工助剤として使用する場合は表示を免除されている。
  なぜ表示が免除されるのか。臭素酸カリウムが最終商品から消滅していない事例がある以上、臭素酸カリウムを加工助剤としてでも使用した場合、表示する必要があると考えるがいかがか。また、表示しない場合、臭素酸カリウムを使用した食品を食べたくないと思う消費者はどのようにして商品を選べばいいのか。また、表示免除は消費者の選ぶ権利を奪うことになってはいないのか。臭素酸カリウムが残留したケースがある以上、EU同様に臭素酸カリウムを指定削除するべきと考えるがいかがか。臭素酸カリウムのように最終商品に残留しないことが定められている他の食品添加物について、最終商品における残留が確認された事例があれば、政府として把握しているところを確認された時期別にすべてお示し願いたい。
 3 加工助剤のうち残留が認められない物質はいくつあるのか。
 4 それらの物質に限定して、具体的物質名も表示すべきと考えるがいかがか。表示が無ければどうやって残留の有無を民間機関は確認できるのか。
四 欧米で認められていない、または制限されている食品添加物等についてお尋ねする。
 1 欧米に属する国で安全性の観点から使用が認められていない食品添加物のうち、日本で使用が認められている食品添加物を使用が認められた理由も含めて、政府が把握するところをすべてお示し願いたい。欧米で認められていない食品添加物等のうち、着色料である食用赤色一〇四号、同一〇五号、同一〇六号、漂白剤である次亜硫酸ナトリウム、防カビ剤のジフェニルは、日本では使用が認められている。それぞれ安全性はいつ、誰によって、どのように確認されたのか。着色料である赤色二号は米国では使用が認められずEUでも使用が制限されている。日本では使用可能だが、安全性はいつ、誰によって、どのように確認されたのか。赤色二号の安全性は十年以内に確認されたのか。
 2 二酸化チタン(着色料)については二〇二一年に欧州食品安全機関が「遺伝毒性の懸念を排除できない」との評価を示した。これを受けて二〇二二年にEUは二酸化チタンの食品添加物への使用を禁止した。日本では使用可能だが、安全性はいつ、誰によって、どのように確認されたのか。
 3 食品添加物ではないが、トランス脂肪酸については米国では心筋梗塞や虚血性心疾患などのリスクを高める等として、水素を添加したトランス脂肪酸の食品添加が原則禁止されている。日本では使用可能だが、安全性はいつ、誰が、どのように確認したのか。
 4 農薬であるプロピコナゾールについては、EUは生殖毒性や内分泌器官への有害作用の懸念から二〇一八年に認可を更新せず、二〇一九年に農薬登録が失効した。日本では使用可能だが、安全性はいつ、誰によって、どのように確認されたのか。
 5 ネオニコチノイド系の農薬についてEUは安全性の懸念から使用できる種類を一種類に絞っている。日本では七種類が使用可能であるが、それぞれ安全性はいつ、誰によって、どのように確認されたのか。また、ネオニコチノイド系の農薬と発達障害との因果関係があると指摘する論文について政府は把握しているか。この指摘は事実なのか。かつて政府は、「『ネオニコ系の農薬の使用と自閉症や広汎性発達障害との関係』については、政府としては、その因果関係は確認されていないと考えている」と答弁しているが、「因果関係は確認されていない」という事実を、いつ、誰が、どのようにして確認したのか。また、「因果関係は確認されていない」というが、根拠となる論文は存在するのか。お示し願いたい。
五 安全性の観点から日本では使用できない農薬が、海外で使われているケースがある。
 1 その海外で使われた日本では使えない農薬によって育てられた農作物が日本に輸入される場合、その農作物の日本での流通を止めることはしないのか。止めることをしないのであればその理由を根拠となる論文等を示しながらお教え願いたい。
 2 国内産、できれば輸入品についてもできるだけ使用農薬を農産物に表示する制度を作るべきと考えるがいかがか。QRコードなどでインターネット上に表示するなど工夫を加え検討すべきと考えるが、政府の見解を問う。
 3 欧米で安全性の観点から使用が認められていない農薬のうち、日本で使用可能な例はあるか。使用可能としている理由とともに物質名について、政府が把握するところをお示し願いたい。
六 政府が定めた食品添加物表示のルールに一括名表示というものがある。単に一つの名称、例えば「香料」「増粘多糖類」「酸味料」「調味料」「加工デンプン」などとカテゴリーを書けば具体的な物質名の表示はたとえ多くの物質を使っていたとしても、免除されるというものである。
 1 本来は、一括名とともに、具体的物質名もすべて明記すべきと考えるが、なぜ、それができないのか。表示する物質名が多くなってしまうのであれば、QRコードなどを利用してインターネット上に表示すべきと考えるがいかがか。
 2 一括名表示に該当する物質名が一つの場合のみ、物質名を書くことが政府によって指導されているが、物質名を隠したい場合は二つ以上の物質を使えば一切、物質名を書かなくて済むこととなる。これは事実か。事実とすれば、添加物の多用を進めてしまう弊害が出てしまうのではないのか。政府によって物質ごとに使用量の上限や残留量の上限が定められているが、一括名だけで具体的物質名がわからなければ、民間機関などが、それをチェックすることが困難になってしまうが、改善することは考えていないのか。

 右質問する。

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