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令和四年四月一日提出
質問第三八号

旧一般電気事業者による高圧受電顧客の新規受付停止に関する質問主意書

提出者  逢坂誠二




旧一般電気事業者による高圧受電顧客の新規受付停止に関する質問主意書


 経済産業省制定「電力の小売営業に関する指針」には、各電力会社は、需要家(消費者)が料金水準の適切性を判断しやすくなるように、標準メニューを公表することが望ましいと明記されているところである。しかし、現状では、標準メニューを公表しているものの、実際に契約をすることができない事例が生じているとされている。そこで、次のとおり質問する。

一 報道(福井新聞(二〇二二年三月二十七日)や日経クロステック(二〇二二年三月九日))によれば、旧一般電気事業者が高圧標準メニューによる新規受付を停止していると報じられている。前記報道(福井新聞)によると、北陸電力株式会社は他の電力会社からの高圧の契約切り替え申込みについて、現状の供給力では対応出来ないとして高圧標準メニューによる新規受付を全面停止している(新規受付停止)とあるが、事実か。他の旧一般電気事業者についてもこのような事実はあるのか。政府の把握するところを答えられたい。
二 経済産業大臣直属の電力・ガス取引監視等委員会「第七十一回制度設計専門会合」(二〇二二年三月二十四日)資料三−二の九頁によると、「実際に最終保障供給への申込みも増加しているところ、現状の市場価格を踏まえると本年四月以降に更なる申込み増加が起こることも予想される。」との記載がある。通常、消費者は最終保障供給に至る前には、自由化前からある旧一般電気事業者に高圧標準メニューが申し込めないか試みるはずであり、前記資料の記載は、旧一般電気事業者が高圧標準メニューでの新規受付を停止しているからではないか。政府の見解はいかがか。
三 北陸電力が高圧標準メニューによる新規受付停止の対象としているのは、「他電力会社から旧一般電気事業者に契約を戻したい民間・企業の高圧契約」のみか。また、他の旧一般電気事業者についてはどうか。政府の把握するところを答えられたい。
四 北陸電力は、それ以外の「旧一般電気事業者が現在契約していて満期に伴い契約更新が必要な民間・企業の高圧契約」、「建物を立てて新設で受電する民間・企業の高圧契約」及び「民間・企業ではない官公庁の高圧契約(における公共入札)」について、高圧標準メニューでの契約は受付を停止しているのか。また、他の旧一般電気事業者についてはどうか。政府の把握するところを答えられたい。
五 「他電力会社から旧一般電気事業者に契約を戻したい民間・企業の高圧契約」のみが受付停止の扱いを受けている場合には、いわゆる「戻り需要」に対する差別的な扱い(公正取引委員会、経産省の「適正な電力取引についての指針」)に該当すると考えるが、政府の見解はいかがか。
六 旧一般電気事業者が、「他電力会社から旧一般電気事業者に契約を戻したい民間・企業の高圧契約」について、標準メニューの新規受付を全面停止しているにもかかわらず、ホームページ上では、依然としてこの受付を行っているように表示しているが、政府はこの状況を把握しているか。
七 特定商取引に関する法律が適用される取引の場面において、六のように事実と異なる表示(新規受付をしていないにもかかわらず受付を行っているかのような表示)を行うことは、消費者に対する不実告知(虚偽の説明)(特定商取引に関する法律第六条)に該当すると考えるがいかがか。
八 六のように取引の申出に係る商品・サービスについて、取引を行うための準備がなされていないにもかかわらず表示がなされている場合、いわゆる景品表示法第五条第三号の規定に基づく告示である「おとり広告に関する表示」に該当すると考えるがいかがか。
九 旧一般電気事業者の高圧標準メニューは、自由化前に適用していた規制料金を踏襲している。消費者が他の電力会社を含めたサービスを選択する際には、当然ながらこの旧一般電気事業者の高圧標準料金を参考にすると同時に、他の電力会社が経営難に陥った場合でも旧一般電気事業者への再契約が可能であるからこそ、不安なく電力会社を選択できるものと考えるが、政府の見解はいかがか。
十 二のように、消費者が電力会社を選ぶ選択肢が全くなく、どの小売電気事業者にも受付を断られ、最終保障供給への申込みが急激に増加し、それが常態化することは、「電力システムに関する改革方針」(二〇一三年四月二日閣議決定)で定められている「需要家が電力会社、メニューを選択出来るようにする」という趣旨に反し、需要家の選択肢を奪うことにならないか。ならないとすればその理由は何か。

 右質問する。

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