衆議院

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令和四年六月一日提出
質問第七九号

欧米で禁止の農薬に関する再質問主意書

提出者  長妻 昭




欧米で禁止の農薬に関する再質問主意書


 欧米で使用が禁止されている農薬についてお尋ねする。
 二〇二二年四月二十日の衆議院厚生労働委員会において、欧米で禁止されている農薬について、その理由に関する質問をした。
 有機リン系の殺虫剤クロルピリホスは二〇二二年二月に米国で食用作物への使用が禁止となったが、その理由について政府は「食品、飲料水等からの暴露量が神経毒性及び発達神経毒性の懸念されるレベルを超えることを踏まえ」と答弁した。
 この有機リン系の殺虫剤クロルピリホスは、二〇二〇年一月にEUでも使用が禁止された。その理由について政府は「遺伝毒性に懸念があること、発達神経毒性に影響が認められ、生殖毒性が懸念されること」と答弁した。
 日本では使用されている農薬であり、大変、心配になる答弁である。政府は過去にチェックしているので、再度、安全性のチェック・検証はしないという立場を崩してない。
 二〇二二年四月二十日の衆議院厚生労働委員会において、国立国会図書館専門調査員にクロルピリホスについて、「発達障害との関連性を疑うような、そういう論文について御紹介いただければと思います」と質問したところ以下の答弁があった。
 樋口国立国会図書館専門調査員「クロルピリホスでございますけれども、雑誌「科学」の二〇二二年三月号に掲載されました遠山千春氏、木村・黒田純子氏らの論文は、クロルピリホスの暴露を胎児期から小児期にかけて受けた同一の児童を長年にわたり追跡してきた米国の疫学的研究を紹介しており、これによれば、建材用クロルピリホスの胎児期の暴露量が多いと精神発達への影響が顕著になること、クロルピリホスを含む有機リン系農薬の胎児期の暴露と、記憶力、知能指数の低下や注意欠如症状の増加との関係が認められたこと、胎児期の有機リン系農薬の暴露で、学童期に精神発達が遅延することなどが挙げられております」
 そこでお尋ねする。
 岸田内閣は、この樋口国立国会図書館専門調査員の答弁にある「米国の疫学的研究」についてご存じか。
 また、その研究では「クロルピリホスを含む有機リン系農薬の胎児期の暴露と、記憶力、知能指数の低下や注意欠如症状の増加との関係が認められたこと、胎児期の有機リン系農薬の暴露で、学童期に精神発達が遅延する」ということが示されているということは事実か。政府の把握しているところを答えられたい。この研究結果について、岸田内閣はどう評価しているか。
 また、岸田内閣は、この疫学的研究以外の、クロルピリホスが人体にどのような影響を及ぼすのかについて調査・研究した世界の論文をどの程度、ご存じなのか、またそれらの論文への評価もお示し願いたい。
 岸田内閣は、海外での疫学的研究で、健康被害のおそれが確認できた場合は、農薬としてのクロルピリホスの使用について、なんらかの調査・検証を実施するおつもりはあるのか否か、お教え願いたい。
 また、本来は人体への影響を確認した上で、使用を禁止すべきと考えるが、いかがか。

 右質問する。

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