衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
令和四年六月十日提出
質問第一二九号

「経済財政運営と改革の基本方針二〇二二」における教育費の費用負担の軽減に関する質問主意書

提出者  宮本 徹




「経済財政運営と改革の基本方針二〇二二」における教育費の費用負担の軽減に関する質問主意書


 「経済財政運営と改革の基本方針二〇二二」(以下、「骨太方針」と呼ぶ)は、「恒久的な財源も念頭に置きつつ、給付型奨学金と授業料減免を、必要性の高い多子世帯や理工農系の学生等の中間層へ拡大する。」とする。そこで以下、質問する。

一 自民党は先の総選挙で「分厚い中間層の再構築」をかかげていたことに関して、
 1 「骨太方針」で「給付型奨学金と授業料減免」の拡大の対象となる「中間層」の定義を説明されたい。例えば「高等学校等就学支援金制度」では、「年収約九百十万円未満の世帯」が対象となっており、本年六月一日の衆議院予算委員会においてある与党委員が示したパネルの「世帯年収約六百万円」まででは、「中間層」と言うには範囲が狭すぎるのではないか。
 2 私立大学の初年度納付金の平均は、例えば芸術学部は、理工農系学部と同水準である。医学部、歯学部、薬学部、看護・医療・栄養学部は、理工農系学部と比べて高い。また、文系学部の平均的な授業料と農学部の平均的な授業料の差は二十万円程度である。なぜ、給付型奨学金と授業料減免を理工農系の学生に限るのか。憲法第二十六条の「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」に反するのではないか。
 3 多子世帯を支援することは当然であるが、子どもの人数にかかわらず、教育費負担は重くのしかかっている。子どもの人数が一人、二人であっても「給付型奨学金と授業料減免」の対象とすべきではないか。
 4 「恒久的な財源も念頭に置きつつ」とあるが、そもそも高等教育の修学支援新制度について、消費増税時に確保した財源の金額及び、その内実際に予算化した金額、そして執行した実績額を示されたい。その上で、「骨太方針」がいう「恒久的な財源」とは、既にこれを確保しながら、執行していない財源を指しているのか、又は新たな財源を検討しているのかを明らかにされたい。
 5 教育を受けることは権利であり、所得制限等を設けず、高等教育も高校教育も全員無償化すべきではないか。
二 「骨太方針」は、「在学中は授業料を徴収せず卒業後の所得に応じて納付を可能とする新たな制度を、教育費を親・子供本人・国がどのように負担すべきかという論点や本制度の国民的な理解・受け入れ可能性を十分に考慮した上で、授業料無償化の対象となっていない学生について、安定的な財源を確保しつつ本格導入することに向け検討することとし、まずは大学院段階において導入することにより、ライフイベントも踏まえた柔軟な返還・納付(出世払い)の仕組みの創設を行う。」とある。
 1 ここでいう「在学中は授業料を徴収せず卒業後の所得に応じて納付を可能とする新たな制度」、「出世払い」の仕組みとは、現在の所得連動型の貸与制奨学金と本質的に変わらないのではないのか。
 2 「在学中は授業料を徴収せず卒業後の所得に応じて納付を可能とする新たな制度」は、高等教育費は「子供本人」が負担すべき、という受益者負担主義の考えによるものか。
 3 政府が、高等教育費は「子供本人」が負担すべきという考え方に立って、「在学中は授業料を徴収せず卒業後の所得に応じて納付を可能とする新たな制度」を導入するならば、現在、修学支援新制度で低所得者世帯を中心に行っている授業料減免と矛盾することになり、修学支援新制度が縮小に向かう危険はないか。また、修学支援新制度の拡大がとまり、わが国が批准する国連人権規約A規約13条2(C)高等教育の漸進的無償化条項に反するのではないか。
三 高校教育を完全無償化している都道府県や市区町村等の自治体はあるか。仮にあるならば、自治体の名称及び措置の概要について、政府の把握するところを列挙されたい。
 また、高校の平均的な授業料相当額の支援について、所得制限の金額を最も高く設定し対象者を広くしている都道府県はどこか。政府の把握するところを答えられたい。

 右質問する。

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.