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令和四年八月三日提出
質問第一号

国葬儀の形式で安倍晋三元内閣総理大臣の葬儀を行うことに関する質問主意書

提出者  櫻井 周




国葬儀の形式で安倍晋三元内閣総理大臣の葬儀を行うことに関する質問主意書


 岸田文雄内閣総理大臣は二〇二二年七月十四日の記者会見において、国葬儀の形式で安倍晋三元内閣総理大臣の葬儀を行うことを表明した。そこで、安倍晋三元内閣総理大臣の葬儀を国葬儀の形式で行うことについて、以下、質問する。

一 国葬儀の法的根拠は何か。一九二六年に制定された国葬令は一九四七年で失効したと承知している。安倍元総理の葬儀は、内閣府設置法第四条の「国の儀式」として行うとしているが、国葬令に基づく国葬とは何が違うのか。
二 安倍元総理の葬儀の費用について、「全額が国費による支弁となる」と表明したが、戦後の総理大臣の葬儀を全額国費による支弁とした例はあるのか。今回の葬儀の費用を全額国費による支弁とする場合の法的根拠は何か。また、二〇二二年度予算に安倍元総理の葬儀費用は計上されていないと承知しているが、どの予算項目で支出するのか。
三 国葬儀とすることの第一の理由として、岸田総理は安倍元総理の在任期間が「憲政史上最長の八年八か月」であることをあげたが、何年以上であれば国葬儀の要件を満たすのか。
四 国葬儀とすることの第二の理由として、「卓越したリーダーシップと実行力をもって、厳しい内外情勢に直面する我が国のために内閣総理大臣の重責を担ったこと、東日本大震災からの復興、日本経済の再生、日米関係を基軸とした外交の展開等の大きな実績を様々な分野で残されたことなど、その御功績は誠にすばらしい」と功績をあげた。一方で、安倍元総理は、問題と疑惑についても指摘されてきた。安倍元総理の後援会が「桜を見る会」前日に主催した夕食会をめぐって、国会において総理大臣として百十八回もの虚偽の答弁を行った。また、磁気ネックレスなどの預託商法を展開しその後に詐欺罪で有罪判決を受けたジャパンライフ株式会社の山口元会長を安倍内閣は政府主催の桜を見る会に招待したが、ジャパンライフはその招待状をチラシに印刷するなど、客の勧誘に利用していたことが明らかになり、ジャパンライフ問題の被害拡大につながった可能性を否定できない。さらに、霊感商法で社会問題となった旧「統一教会」(現「世界平和統一家庭連合」)の関係団体「天宙平和連合(UPF)」の集会に祝電やビデオメッセージを送るなどしたことも問題の深刻化につながった可能性を否定できない。このように政治家の功績には、プラスとマイナスの両面がありえるが、マイナス面も評価した上で国葬儀が相応しいと判断したのか、政府の見解如何。
五 国葬儀とすることの第三の理由として、岸田総理は安倍元総理の「外国首脳を含む国際社会から極めて高い評価」をあげたが、亡くなった元首脳について外交儀礼として「高い評価」をするものと考えるべきである。むしろ、日本国として「国の儀式」とするのであれば、日本国内においての評価こそ重要であると考えるところ、日本国内での安倍元総理の評価を岸田内閣としてどのように認識しているのか。
六 国葬儀とすることの第四の理由として、岸田総理は安倍元総理が「民主主義の根幹たる選挙が行われている中、突然の蛮行により逝去されたもの」をあげた。蛮行が遂行されてしまったのは警備に問題があったことの証左であり、すなわち警察行政の大失態であり、その責任を有耶無耶にしてはならないと考える。しかし、その責任を負うべき内閣が国葬儀とする判断を行うことは責任を有耶無耶にしようとしているとの疑念が生まれかねないと考えるが、政府の見解如何。
七 安倍元総理の葬儀を国葬儀の形式で行うかどうかは、不十分な警備で蛮行をゆるした内閣が判断するものではなく、国権の最高機関であるところの国会での審議を経て決定することを提案するが、政府の見解如何。

 右質問する。

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