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令和四年八月三日提出質問第二〇号
使用済核燃料の保管方法に関する質問主意書
提出者 山崎 誠
使用済核燃料の保管方法に関する質問主意書
使用済核燃料の保管方法については、リラッキングによる稠密貯蔵、乾式貯蔵といったものがある。原子力規制委員会では、この点に関し、これまで以下のような議事が残されている。
原子力規制委員会第三十五回臨時会議議事録によると、二〇一四年十月二十九日原子力規制委員会臨時会において原子力規制委員会更田豊志委員長代理(当時)は以下のように発言している。
「使用済燃料プールに貯蔵している燃料がどんどん増えてきている。やはりこれ、実態としては、PWRの場合は使用済燃料プールが比較的低い位置にあるとは言うものの、ああいった形で使用済燃料プールの貯蔵量を増やしていくよりは、乾式のキャスクに入れて、それこそ、その辺に転がしておくというと言葉は悪いですけれども、その方がまだ更に安全性は高いのではないか。」
また、原子力規制委員会第五十四回臨時会議議事録によると、二〇一六年二月三日原子力規制委員会臨時会において原子力規制委員会田中俊一委員長(当時)は以下のように発言している。
「私は基本的に、もうリラッキングなんていう考え方はやめるべきで、ドライキャスクに保管していく方がより安全だという、これは世界的にもそういうのが普通になっているんですね、どの国でも。」
いずれもリラッキングについて否定的な見解を示し、ドライキャスクによる乾式貯蔵を勧めている。
このような議論を踏まえて、以下質問する。
一 使用済核燃料の保管に関し、現状、リラッキングによる稠密貯蔵は、どのように行われているのか。現存するそれぞれの使用済核燃料プールにおいて、当初の設計において想定されていた貯蔵量、リラッキングにより可能とされた貯蔵量、現時点の貯蔵量について、原子力規制委員会が把握している最新の情報を明らかにされたい。
二 前述のとおり、当時の原子力規制委員会の委員長、委員長代理から、リラッキングについて安全面での懸念が示され、否定的な見解が述べられている。
1 現在、原子力規制委員会は、リラッキングについて、安全面を含めて、どのような見解を持っているのか、明らかにされたい。
2 現在、原子力規制委員会では、乾式貯蔵の活用についてどのような議論がなされているか。乾式貯蔵による保管を拡大・促進する計画はあるのか、明らかにされたい。
三 南海トラフ巨大地震や日本海溝・千島海溝地震、火山噴火、航空機の墜落事故、テロ攻撃等を考えた場合、プールに貯蔵される使用済核燃料と原子炉内の燃料とを比べると、安全面でのリスクに違いはあると考えているのか。見解を示されたい。
四 構造上、使用済核燃料プールの方が脆弱であり、特にリラッキングによる保管での事故のリスクは大きくなり、火災などが発生した場合の被害についても甚大なものになると想定される。早急にリラッキングによる保管を全面禁止し、乾式貯蔵にすべきではないか。見解を示されたい。
右質問する。