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令和四年八月十五日受領答弁第二〇号
内閣衆質二〇九第二〇号
令和四年八月十五日
内閣総理大臣 岸田文雄
衆議院議長 細田博之 殿
衆議院議員山崎誠君提出使用済核燃料の保管方法に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員山崎誠君提出使用済核燃料の保管方法に関する質問に対する答弁書
一について
お尋ねの「使用済核燃料」の「リラッキングによる稠密貯蔵」については、それぞれの原子力事業者において、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律（昭和三十二年法律第百六十六号）第四十三条の三の八第一項の規定に基づく許可を受けた上で実施されている。
お尋ねの「リラッキング」を現時点で行っている全国の原子力施設に「現存するそれぞれの使用済核燃料プール」における①「当初の設計において想定されていた」貯蔵能力、②「リラッキングにより可能とされた」貯蔵能力及び③国際規制物資の使用等に関する規則（昭和三十六年総理府令第五十号）第七条第十一項の規定に基づき令和四年六月三十日までに原子力規制委員会に提出された直近の報告書に記載された使用済燃料集合体の貯蔵量については、それぞれ次のとおりである。
東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所一号炉 ①全炉心燃料（炉心の全体に燃料が装荷されているときの燃料集合体の数をいう。以下同じ。）四百体の約百五十パーセント相当分、②全炉心燃料四百体の約二百二十五パーセント相当分及び③二百九十二体
東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所二号炉 ①全炉心燃料五百四十八体の約百五十パーセント相当分、②全炉心燃料五百四十八体の約二百二十五パーセント相当分及び③五百八十七体
東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所三号炉 ①全炉心燃料五百四十八体の約百五十パーセント相当分、②全炉心燃料五百四十八体の約二百二十五パーセント相当分及び③零体
東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所四号炉 ①全炉心燃料五百四十八体の約百五十パーセント相当分、②全炉心燃料五百四十八体の約二百九十パーセント相当分及び③零体
東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所五号炉 ①全炉心燃料五百四十八体の約百五十パーセント相当分、②全炉心燃料五百四十八体の約二百九十パーセント相当分及び③千三百七十四体
東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所六号炉 ①全炉心燃料七百六十四体の約百三十パーセント相当分、②全炉心燃料七百六十四体の約二百三十パーセント相当分及び③千四百五十六体
東京電力ホールディングス株式会社福島第二原子力発電所一号炉 ①全炉心燃料七百六十四体の約百三十パーセント相当分、②全炉心燃料七百六十四体の約三百五十パーセント相当分及び③二千三百三十四体
東京電力ホールディングス株式会社福島第二原子力発電所二号炉 ①全炉心燃料七百六十四体の約二百七十パーセント相当分、②全炉心燃料七百六十四体の約三百六十パーセント相当分及び③二千四百二体
東京電力ホールディングス株式会社福島第二原子力発電所三号炉 ①全炉心燃料七百六十四体の約二百七十パーセント相当分、②全炉心燃料七百六十四体の約三百六十パーセント相当分及び③二千三百六十体
東京電力ホールディングス株式会社福島第二原子力発電所四号炉 ①全炉心燃料七百六十四体の約二百七十パーセント相当分、②全炉心燃料七百六十四体の約三百六十パーセント相当分及び③二千四百三十六体
東京電力ホールディングス株式会社柏崎刈羽原子力発電所二号炉 ①全炉心燃料七百六十四体の約二百七十パーセント相当分、②全炉心燃料七百六十四体の約四百二十パーセント相当分及び③千七百五十九体
東京電力ホールディングス株式会社柏崎刈羽原子力発電所五号炉 ①全炉心燃料七百六十四体の約二百七十パーセント相当分、②全炉心燃料七百六十四体の約四百二十パーセント相当分及び③千九百三十四体
北陸電力株式会社志賀原子力発電所一号炉 ①全炉心燃料三百六十八体の約二百八十五パーセント相当分、②全炉心燃料三百六十八体の約四百八十パーセント相当分及び③六百九十二体
中部電力株式会社浜岡原子力発電所二号炉 ①全炉心燃料五百六十体の約百五十パーセント相当分、②全炉心燃料五百六十体の約三百二十五パーセント相当分及び③零体
中部電力株式会社浜岡原子力発電所三号炉 ①全炉心燃料七百六十四体の約三百パーセント相当分、②全炉心燃料七百六十四体の約四百パーセント相当分及び③二千六十体
関西電力株式会社美浜発電所二号炉 ①全炉心燃料約百二十一体の三分の四相当分以上、②全炉心燃料約百二十一体の約三分の十四相当分及び③五百十体
関西電力株式会社美浜発電所三号炉 ①全炉心燃料百五十七体の約三分の四相当分、②全炉心燃料百五十七体の約五百二十パーセント相当分及び③四百八体
関西電力株式会社高浜発電所三号炉 ①全炉心燃料百五十七体の約三分の十相当分、②全炉心燃料百五十七体の約千百三十パーセント相当分及び③千三百四十五体
関西電力株式会社高浜発電所四号炉 ①全炉心燃料百五十七体の約三分の十相当分、②全炉心燃料百五十七体の約千百三十パーセント相当分及び③千四百五十四体
中国電力株式会社島根原子力発電所一号炉 ①全炉心燃料四百体の約百五十パーセント相当分、②全炉心燃料四百体の約二百九十パーセント相当分及び③七百二十二体
中国電力株式会社島根原子力発電所二号炉 ①全炉心燃料五百六十体の約四百パーセント相当分、②全炉心燃料五百六十体の約六百三十パーセント相当分及び③二千五百十六体
四国電力株式会社伊方発電所三号炉 ①全炉心燃料百五十七体の約五百パーセント相当分、②全炉心燃料百五十七体の約千百五十パーセント相当分及び③千三百八十三体
九州電力株式会社玄海原子力発電所一号炉 ①全炉心燃料百二十一体の三分の四相当分以上、②全炉心燃料百二十一体の約二百七十パーセント相当分及び③二百四十体
九州電力株式会社玄海原子力発電所三号炉 ①全炉心燃料百九十三体の約三分の十六相当分、②全炉心燃料百九十三体の約八百七十パーセント相当分及び③八百四十二体
九州電力株式会社川内原子力発電所一号炉 ①全炉心燃料百五十七体の約三分の十七相当分、②全炉心燃料百五十七体の約千百九十パーセント相当分及び③千三百十六体
九州電力株式会社川内原子力発電所二号炉 ①全炉心燃料百五十七体の約三分の十相当分、②全炉心燃料百五十七体の約八百六十パーセント相当分及び③千十体
日本原子力発電株式会社東海第二発電所 ①全炉心燃料七百六十四体の約百三十パーセント相当分、②全炉心燃料七百六十四体の約二百九十パーセント相当分及び③千二百五十体
日本原子力発電株式会社敦賀発電所一号炉 ①全炉心燃料三百八体及び一回取替分以上、②全炉心燃料三百八体の約四百パーセント相当分及び③百八十二体
日本原子力発電株式会社敦賀発電所二号炉 ①全炉心燃料百九十三体の約三分の十九相当分、②全炉心燃料百九十三体の約九百パーセント相当分及び③千六百六十八体
二の１について
使用済燃料の貯蔵方法については、お尋ねの「リラッキングによる稠密貯蔵」及び「乾式貯蔵」のいずれの場合においても、原子力規制委員会として、最新の科学的知見や国際原子力機関等の規制基準を参考にしつつ必要な基準を設定し、当該基準に適合するものであることを確認したものについては、当該基準で求めるレベルの安全性が確保されている方法であると考えているが、その上で両者を比較すると、水や電気を使わず空気の自然対流で冷却することができる等の利点を有する「乾式貯蔵」がより安全性が高いものと考えている。
二の２について
お尋ねの「乾式貯蔵の活用」については、原子力規制委員会において、乾式の容器による使用済燃料の貯蔵を促進するための議論を行っており、平成三十一年四月には、実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則（平成二十五年原子力規制委員会規則第五号）等を改正するとともに、兼用キャスクが安全機能を損なうかどうかをその設置される位置のいかんにかかわらず判断するために用いる地震力等を定める告示（平成三十一年原子力規制委員会告示第二号）を制定したところである。
三について
お尋ねの「南海トラフ巨大地震や日本海溝・千島海溝地震、火山噴火、航空機の墜落事故、テロ攻撃等を考えた場合」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、安全な管理に必要とされる冷却期間等の条件が同一である燃料については、使用済燃料プールよりも原子炉内に存在した方が、原子炉を冷却するための信頼性の高い冷却設備が複数あること等からその安全上のリスクは低下すると考えている。
四について
二の１についてで述べたとおり、使用済燃料の貯蔵方法については、お尋ねの「リラッキングによる稠密貯蔵」及び「乾式貯蔵」のいずれの場合においても、原子力規制委員会として、最新の科学的知見や国際原子力機関等の規制基準を参考にしつつ必要な基準を設定し、当該基準に適合するものであることを確認したものについては、当該基準で求めるレベルの安全性が確保されている方法であり、「早急にリラッキングによる保管を全面禁止」する必要はないと考えている。