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令和四年十月十八日提出
質問第一三号

円安がキャピタルフライトをもたらすリスクに関する質問主意書

提出者  櫻井 周




円安がキャピタルフライトをもたらすリスクに関する質問主意書


 日本銀行の資金循環統計によれば我が国の家計が保有する金融資産(二〇二二年三月末)は二千兆円を超えている。外貨預金は約七兆円であることから、この金融資産の大半は円建てで保有されていると考えられる。
 この半世紀、我が国は貿易黒字国であり、常に円高が進みうる要因があった。したがって、金利の高い外貨で運用しても円高が進めば運用益は為替損で相殺されてしまうことから、我が国においては外貨建てでの資金運用はあまり広まらなかった。
 しかしながら、現下の状況は、貿易赤字であり、このことは円安ドル高の要因となる。加えて、物価高対策として世界的な金利引き上げが進む中で、日本銀行の黒田東彦総裁は異次元の金融緩和を堅持する方針を示していることが円安要因となっている。すなわち、資産運用をめぐる状況は過去五十年の状況から大きく変わったところ、以下、質問する。

一 我が国の貿易収支は、赤字となり、今後も少子化と高齢化の進展に伴い生産年齢人口の減少から貿易赤字は定着する可能性があると考えるが、政府の見解如何。
二 日本銀行はマイナス金利を堅持する一方で、アメリカではインフレ対策として金利を引き上げており、日米の金利差は約四%となっている。さらに、今後も円高に振れる可能性が低いと考えれば、超低金利の円を調達してドルで運用する円キャリートレードが広がる可能性があると考えるが、政府の見解如何。
三 円キャリートレードが広がることは、円安ドル高要因となると考えられるが、政府の見解如何。
四 我が国の貿易赤字、日米の金利差、円キャリートレードの広がりなどから円安ドル高が進めば、現在は円で保有されている日本国内の個人金融資産が逃げ出す「キャピタルフライト」が起きるリスクがあると考えるが、政府の見解如何。
五 アベノミクスと異次元の金融緩和に象徴される我が国の円安政策が日本人による自国通貨への不信につながれば、際限なく円安が進むリスクがあると考えるが、政府の見解如何。

 右質問する。

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