衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
令和四年十二月五日提出
質問第四五号

オンライン資格確認の導入の義務化、健康保険証の廃止等に関する質問主意書

提出者  神津たけし




オンライン資格確認の導入の義務化、健康保険証の廃止等に関する質問主意書


 令和五年四月より、原則、全ての保険医療機関及び保険薬局に、オンライン資格確認の導入が義務付けられることとなっている。オンライン資格確認を導入するためには、顔認証付きカードリーダーの設置、システム改修等の準備作業が必要となる。しかしながら、このような準備作業を行うことが困難な医療機関が多いことに加え、導入費用や維持費用について医療機関の費用負担が懸念されている。
 また、マイナンバーカードと健康保険証の一体化を進めるため、令和六年秋に保険証の廃止を目指すとの方針に対しては、運用を巡り様々な課題が指摘されているものの、具体的な解決策が示されていないものが多く、医療現場に混乱が生じている。
 したがって、次の事項について質問する。

一 オンライン資格確認の導入の義務化等について
 全国保険医団体連合会「保険証廃止・オンライン資格確認義務化意識・実態調査(速報)」(令和四年十一月十六日)(以下「実態調査」という。)では、令和五年三月末までにオンライン資格確認を導入できるか現時点でわからないと回答した医療機関の割合は四十八%、オンライン資格確認の運用を開始したものの、トラブル・不具合のあった医療機関の割合は四十%となっており、円滑に導入されていない状況にある。さらに、オンライン資格確認の導入の義務化は、対応困難な医療機関の閉院や廃院を促進するとの指摘や、オンライン資格確認のメリットや費用負担額は医療機関で大きく異なるとの指摘がある。
 1 直近の保険医療機関及び保険薬局の数並びにオンライン資格確認システムの運用開始施設数、保険医療機関及び保険薬局においてオンライン資格確認に必要な体制整備を完了しなければならない期限を示されたい。また、オンライン資格確認の導入が期限に間に合わない医療機関は廃業を余儀なくされることとなるのか。
 2 オンライン資格確認の導入の義務化に関しては、本年八月の中央社会保険医療協議会の答申書附帯意見において、令和四年末頃の導入の状況について点検を行い、地域医療に支障を生じる等、やむを得ない場合の必要な対応について、その期限も含め、検討を行うこととされているが、前述のような状況を踏まえ、令和五年四月以降も、全ての医療機関が医療提供を継続できるよう、大幅な経過措置や幅広の除外規定を設けるべきではないか。
 3 実態調査では、オンライン資格確認の導入に当たり、導入コストが補助金額を上回ったと回答した医療機関の割合は三十九%、オンライン資格確認を導入しない又はできないと回答した医療機関のうち、その理由として、レセプトコンピュータ等の改修で多額の費用が発生するためと回答した医療機関の割合は六十七%となっている。これらを踏まえ、オンライン資格確認の導入に当たり、医療機関に追加の費用負担が生じないよう、補助金の上限額の引上げ、申請期限の延長等を行うべきではないか。
 4 令和四年八月二十四日に厚生労働省が開催した「三師会合同オンライン資格確認説明会」において、厚生労働省は、オンライン資格確認を導入しない医療機関には地方厚生局による「指導」などが行われることになる旨を説明しているが、この「指導」の具体的な内容を示されたい。また、オンライン資格確認を導入しない場合において、保険医療機関又は保険薬局に係る厚生労働大臣の指定が取り消される可能性はあるのか。
 5 医療機関によっては、オンライン資格確認の導入に向け、令和四年九月中にシステム事業者と契約したものの、その後同事業者からは連絡がなく、オンライン資格確認の導入を不安視するものもある。このような医療機関は、今後どのように準備を進めていけばよいのか。
 6 医療機関が患者の診療情報等を閲覧する場合、通常時は、マイナンバーカードによる本人確認及び同意が必要となっている。一方、災害時は、マイナンバーカードによる本人確認を行うことなく診療情報等の閲覧が可能となっている。この災害時の仕組みが利用され、通常時に、マイナンバーカードによる本人確認を行うことなく、患者の診療情報等が閲覧されることが懸念されるが、通常時に、マイナンバーカードによる本人確認を行うことなく、患者の診療情報等が閲覧されることのないよう、どのような防止策が講じられているのか。また、オンライン資格確認システムにおける通常時、システム障害時、災害時の各モードにおける具体的な相違点を示されたい。
 7 医療機関が認知症高齢者や障害者である患者の診療情報等を閲覧する場合、患者本人の意思表示の有効性をどのように担保するのか。
二 マイナンバーカードとの一体化による健康保険証の廃止について
 1 デジタル化や行政の効率化には賛成するが、マイナンバーカードと健康保険証を一体化する理由が明確でない。令和四年十一月四日の衆議院厚生労働委員会において、岸田内閣総理大臣は、「マイナンバーカードの取得、これを義務づけるものではありません」と答弁しているが、マイナンバーカードと健康保険証を一体化すれば、事実上、マイナンバーカードの取得が強制される。これを避けるため、健康保険証の発行を継続すべきではないか。
 2 現行の健康保険証はいつまで利用できるのか。
 3 新規のマイナンバーカードの発行や保険証としての利用登録などマイナンバーカードの健康保険証として利用を開始するに当たり必要な手続はどのようなものになるのか。
 4 転職等により保険者が変わった場合において、必要となる手続、新規にマイナンバーカードを発行する必要があるのかどうかについて示されたい。
 5 健康保険証として利用を開始したマイナンバーカードを紛失した場合におけるマイナンバーカードの再発行手続が可能な具体的な窓口及び再発行に要する日数を示されたい。また、マイナンバーカードが再発行されるまでの間、どのように保険診療を受けるのか。
 6 医療機関を受診するに当たり本人確認の顔認証ができず暗証番号も忘れた場合や、顔認証付きカードリーダー、インターネット回線等に不具合が生じ、オンライン資格確認ができない場合、患者の自己負担割合は十割になるのか。また、暗証番号の誤入力によりマイナンバーカードの利用がロックされた場合、ロック解除が可能な具体的な窓口を示されたい。
 7 健康保険証が廃止された後も医療機関が患者の診療情報等を閲覧する場合には患者の同意を必要とすることに変わりはないか。
 8 今後創設される予定の「全国医療情報プラットフォーム」において、共有又は交換できる情報の範囲を、患者自身が制限することは可能となるのか。

 右質問する。

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.