衆議院

メインへスキップ



答弁本文情報

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
令和四年十二月十六日受領
答弁第四五号

  内閣衆質二一〇第四五号
  令和四年十二月十六日
内閣総理大臣 岸田文雄

       衆議院議長 細田博之 殿

衆議院議員神津たけし君提出オンライン資格確認の導入の義務化、健康保険証の廃止等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員神津たけし君提出オンライン資格確認の導入の義務化、健康保険証の廃止等に関する質問に対する答弁書


一の1及び2について

 保険医療機関及び保険薬局(以下「保険医療機関等」という。)の数は、令和四年十月末時点で二十三万二十五施設であり、また、お尋ねの「オンライン資格確認システムの運用開始施設数」は、同年十二月十一日時点で八万七千五百四十二施設である。また、保険医療機関等においては、療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令(昭和五十一年厚生省令第三十六号)第五条又は第六条の規定により書面による療養の給付等に関する費用の請求が認められている保険医療機関等を除き、保険医療機関及び保険医療養担当規則(昭和三十二年厚生省令第十五号)等に基づき、令和五年四月一日から、御指摘の「オンライン資格確認」(以下「オンライン資格確認」という。)の導入が義務付けられることとなっており、必要な体制の整備を、同年三月三十一日までに行う必要がある。
 その上で、御指摘の中央社会保険医療協議会総会の答申の附帯意見においては、「令和四年末頃の導入の状況について点検を行い、地域医療に支障を生じる等、やむを得ない場合の必要な対応について、その期限も含め、検討を行うこと」とされており、当該意見に沿って、御指摘の「オンライン資格確認の導入が期限に間に合わない医療機関」への対応等を含め、必要な検討を行うこととしている。

一の3について

 厚生労働省においては、オンライン資格確認を導入する保険医療機関等に対して「顔認証付きカードリーダー」の無償提供を行うとともに、複数のシステム開発事業者等に対して導入に係る費用の事前調査を行った上で、保険医療機関等におけるシステム改修に係る費用に対する補助を行っており、令和四年八月には当該補助の拡充を行っている。
 また、同省においては、保険医療機関等から寄せられた導入等に係る費用に関する相談の内容を踏まえ、システム開発事業者等を構成員とする「システム事業者導入促進協議会」(以下「導入促進協議会」という。)等において、システム開発事業者等に対して、見積りの内容を的確に説明するなど、保険医療機関等と十分な意思疎通を図ること等を要請しており、今後も適切に対応してまいりたい。

一の4について

 一般論として、厚生労働大臣等は、保険医療機関及び保険医療養担当規則等に違反する疑いのある事実を把握した場合、当該事実の真偽、違法性等について総合的に検討した上で、必要に応じ、関係する保険医療機関等に対し、健康保険法(大正十一年法律第七十号)第七十三条等の規定に基づく指導等を行うとともに、当該事実の内容等によっては、必要に応じて当該保険医療機関等の指定を取り消すことがあり得る。
 オンライン資格確認を導入しない保険医療機関等については、直ちに保険医療機関等の指定を取り消すのではなく、まずは懇切丁寧な指導を行うこととなるが、個別の事案に応じて適切に対応することとなる。

一の5について

 御指摘の場合に該当する保険医療機関等については、まずは契約したシステム開発事業者等に確認していただくことが基本となるが、厚生労働省においても、社会保険診療報酬支払基金(以下「支払基金」という。)に設置したコールセンター(以下単に「コールセンター」という。)や日本医師会等の関係団体の相談窓口に寄せられた保険医療機関等からの相談等について、導入促進協議会等において、システム開発事業者等に対して、情報提供を行うとともに、改善を図るよう要請するなど、今後も必要な対応を行ってまいりたい。

一の6について

 保険医療機関等によるオンライン資格確認等システムを利用した患者の診療情報等の閲覧については、通常時においては、当該患者について個人番号カード(以下「カード」という。)を用いて本人確認を行った上で同意を得ることが必要であるが、災害時においては、同システムを運用する支払基金及び国民健康保険中央会(以下「支払基金等」という。)が、厚生労働省からの要請に基づき、災害救助法(昭和二十二年法律第百十八号)の適用を受けた地域における保険医療機関等について、同システムの「緊急時医療情報・資格確認機能(災害時医療情報閲覧)」を利用できる状態にし、当該保険医療機関等においては、原則として、患者から口頭で同意を得た場合には、カードを用いた本人確認を不要とする仕組みとしている。このように、当該機能の適用は支払基金等が行っており、個々の保険医療機関等の判断で行われるものではなく、また、当該機能を利用した保険医療機関等については同システム上に記録が残る仕組みとなっており、同法の適用を受けた地域における保険医療機関等以外の保険医療機関等において当該機能が利用されることを防ぐための対策を講じている。また、「システム障害」に係るお尋ねについては、「システム障害時」の具体的に意味するところが明らかではなく、お答えすることは困難である。

一の7について

 何らかの症状や障害等により、意思決定や意思表示に困難を抱える方々の意思表示については、医療、介護、福祉等の現場において、家族、成年後見人、医療従事者、介護従事者等の適切な情報提供の下、症状や障害等の態様等に応じて個別具体的に確認が行われていると承知しており、オンライン資格確認等システムを利用した診療情報等の閲覧の同意においても、同様に確認が行われるものと考えている。

二の1及び2について

 カードと健康保険証の一体化(以下「一体化」という。)については、患者は本人の健康や医療に関するデータに基づいたより適切な医療を受けることが可能となるなど、様々なメリットがあり、政府を挙げてカードの普及や利便性の向上に取り組む中、このようなメリットが早期に広く享受されるよう、令和六年秋に健康保険証を廃止し、これ以降、健康保険証を新規に交付しないことを目指すこととした。なお、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号)第十七条第一項において、カードは申請に基づいて交付されるものと規定されており、一体化に際してもこの点を変更するものではない。
 既に交付されている健康保険証の取扱いを含め、一体化に関し、更に細部にわたって対応を充実させるための方策については、「マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会」(以下「検討会」という。)において、広く国民の声を踏まえた丁寧な検討を行い、令和六年秋に向けて円滑に移行できるよう環境整備を行ってまいりたい。

二の3について

 カードの交付を受けようとする者は、主にオンライン又は郵送により地方公共団体情報システム機構(以下「機構」という。)に交付申請書を提出した後に住所地の市町村の窓口等に出向いて交付を受ける方法や住所地の市町村の窓口等に出向いて当該市町村を経由して機構に交付申請書を提出した後に郵送により交付を受ける方法等により、交付を受けることとなる。
 また、カードを健康保険証として利用するに当たっては、保険医療機関等の窓口に設置する「顔認証付きカードリーダー」、株式会社セブン銀行の現金自動預払機又はカードから情報を読み取る機能を備えたスマートフォン等にインストールした「マイナポータルアプリ」を用いて、健康保険証として利用するためのオンライン資格確認等システムへの登録が必要である。

二の4について

 お尋ねの「必要となる手続」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「保険者が変わった場合」において、カードの健康保険証としての利用に当たり、新たにカードの交付を受けるなどの特段の手続は必要ない。

二の5について

 御指摘の「健康保険証として利用を開始した」か否かにかかわらず、カードを紛失した場合に再交付を受けようとする者は、まずは直ちに住所地の市町村長に紛失の届出を行った上で、主にオンライン又は郵送により機構に再交付申請書を提出した後に住所地の市町村の窓口等に出向いて交付を受ける方法や住所地の市町村の窓口等に出向いて当該市町村を経由して機構に再交付申請書を提出した後に郵送により交付を受ける方法等により、再交付を受けることとなる。
 お尋ねの「再発行に要する日数」については、機構において、再交付申請書の内容の審査、カードの発行及び住所地の市町村への発送を行うため、最大二週間程度の期間を要しており、また、その後、住所地の市町村において、機構から送付されたカードの交付準備等を行うための期間も要することから、現在、市町村により状況は異なるが、機構が再交付申請書を受理してから再交付を求めた者に交付通知書が送付されるまで、一般的に、一か月程度の期間を要しているものと承知している。今後、カードを紛失した場合等における「再発行に要する日数」の短縮について検討してまいりたいと考えている。
 また、一体化の後、何らかの事情により手元にカードがない方が必要な保険診療等を受ける際の手続には様々なケースが考えられるため、これらのケースへの対応を含め、一体化に関し、更に細部にわたって対応を充実させるための方策については、検討会において、広く国民の声を踏まえた丁寧な検討を行い、令和六年秋に向けて円滑に移行できるよう環境整備を行ってまいりたい。

二の6について

 御指摘の「医療機関を受診するに当たり本人確認の顔認証ができず暗証番号も忘れた場合」には、保険医療機関等は、患者について目視による本人確認を行った後、当該患者が「顔認証付きカードリーダー」にカードを置いた上で、オンライン資格確認による資格の確認を行い、正確な資格情報に基づき確認した自己負担割合による一部負担金の支払いを当該患者に求めることとなる。
 また、御指摘の「顔認証付きカードリーダー、インターネット回線等に不具合」が生じた場合には、保険医療機関等は、まずはコールセンターに連絡し、支払基金等が適用したオンライン資格確認等システムの「緊急時医療情報・資格確認機能(資格情報照会(システム障害時))」を利用して患者の氏名等の情報を基に検索することにより資格の確認を行い、正確な資格情報に基づき確認した自己負担割合による一部負担金の支払いを当該患者に求めることとなる。その上で、大規模災害等により当該機能を利用できない場合には、保険医療機関等は、カードを持参した患者に対して、療養等に要した費用に生年月日等の情報に基づき設定した自己負担割合を乗じて得た額の支払いを求め、事後に正確な資格情報の確認ができた段階で訂正の必要がある場合には、所要の手続を行うといった対応になると考えている。
 カードを健康保険証として利用する際に用いられる利用者証明用電子証明書について、お尋ねの「暗証番号の誤入力」によって「マイナンバーカードの利用がロックされた場合」における「ロック解除」については、住所地の市町村の窓口において手続を行うことができるほか、地方公共団体の特定の事務の郵便局における取扱いに関する法律(平成十三年法律第百二十号)第二条の規定に基づき住所地の市町村が指定した郵便局の窓口においても手続を行うことができる。

二の7について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)第二十条第二項において、個人情報取扱事業者は、原則として、あらかじめ本人の同意を得ないで、医師等による診療に係る情報を含む要配慮個人情報を取得してはならないとされているため、健康保険証が廃止された後も、医療機関がオンライン資格確認等システムを利用して患者の診療情報等を閲覧する場合には当該患者の同意が必要であることに変わりはない。

二の8について

 お尋ねについては、現在、御指摘の「全国医療情報プラットフォーム」における情報の取扱いを含め、当該プラットフォームの運用に関する必要な検討を行っているところであり、現時点でお答えすることは困難である。

経過へ | 質問本文(HTML)へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.