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令和四年十二月六日提出
質問第六六号

防衛予算を増額することに関する質問主意書

提出者  中谷一馬




防衛予算を増額することに関する質問主意書


一 岸田総理大臣は二〇二七年度に防衛費と関連する経費を合わせてGDP比二%に達する予算措置を講じるよう指示したが、GDP比二%とは具体的にはいくらの予算を想定しているのか伺いたい。
二 グローバル・ファイヤーパワーによれば、中国の防衛予算は世界第二位の二千三百億米ドル程度だが、GDP比でいえば、一・二%程度で現在の日本と同水準である。世界第一位の米国の防衛予算は七千七百億米ドルとなっている。日米同盟を基軸として動く日本が、NATO(北大西洋条約機構)の集団的自衛権の枠組みで動く、NATO諸国基準の防衛予算を目標とする根拠がわからないので伺うが、NATO基準を日本政府が参考にする理由と根拠を示されたい。また、防衛費をGDP比二%にする必要性に関して、その理由と根拠をどのように考えているのか、説明されたい。
三 グローバル・ファイヤーパワーが発表した二〇二二年の世界の軍事力ランキングで日本は世界で五位であった。
 日本の防衛費は二〇二一年度補正予算を合わせて約六兆千億円程度となっている。NATO基準に合わせて同等事項を加算すれば、六兆九千億円となり、この数字はGDP比の一・二四%程度となる。
 この数字は、三十位北朝鮮の四十五億米ドルの十倍程度、二十二位ウクライナの百十八億米ドルの五倍程度となっており、六位韓国、七位フランス並みの予算が使われている。
 GDP比二%は単純に計算すれば、年約十一兆円となるが、十一兆円を超える防衛費を使っている国は、アメリカ、中国などとなっている。
 そこで、こうした諸外国との防衛予算の比較とわが国を取り巻く安全保障環境の変化を日本政府はどのように捉えているのか、所見を伺いたい。また併せて、こうした周辺状況を踏まえて、何故日本の防衛費の総額を、二〇二三年度から五年間で四十三兆円にする必要があると考えたのか、その理由と根拠を示された上で詳細を説明されたい。
四 防衛予算は規模ありきではなく、可動率の低い装備をフルで動かすためにはいくら必要か、継戦能力の確保に向けて燃料や弾薬をどの程度調達する必要があるか、宇宙やサイバー防衛の強化をどのようにしていく必要があるのかなど必要な予算を積算して、積み上げるのが常識だと考える。今なされている議論は戦略性、実現性、費用対効果がよくわからない。GDP比二%及び二〇二三年度から五年間で総額を四十三兆円にする必要があるという防衛費は規模ありきではなく丁寧に予算を積み上げて出された数字であるのか、伺いたい。もし積み上げられた数字であれば、その積算根拠について、詳細を伺いたい。
五 GDP比二%を目指して、財源を確保するとすれば、@他の経費の削減A増税B国債発行がそのための手段になると考えるが、@の他の経費の削減については、社会保障費や経済対策費、教育予算などを削ることは現実的ではなく、防衛省でも毎年四千億円の効率化をしているがそれだけでは到底追いつかない。Aの増税については、新たに五兆円を所得税、法人税の二税で確保するなら、約十五%の増税になる計算だが、物価高・円安で賃上げもろくにできていないこの時期にそのような政策決定を行うことは難しいと考えている。また経済・消費がこれだけ厳しい時期に消費税の増税もあり得ないと考えている。Bの国債発行については、日本は資産があるとはいえ、債務残高は、GDP比で二百六十三%であり、世界百八十八の国・地域の中で一番であり、二位ベネズエラの二百四十%、三位ギリシャの二百%を超えている。防衛予算に対して国債を発行することには違和感があり、特に先端技術は陳腐化が早く国債は馴染みにくいと考える。
 そうした中で、岸田政権は、@他の経費の削減A増税B国債発行など、どのような手段でGDP比二%を目指した財源の確保を考えているのか、所見を伺いたい。
六 GX経済移行債二十兆円、防衛費GDP比二%など岸田政権で大型予算措置を行う柱が示されたが、子ども関連予算は来年度の骨太方針で道筋を示すとしており、具体的な議論が当面着手される予定は見えない。子ども関連予算の倍増はいつ頃行われ、その予算規模はいくらになる想定なのか、所見を伺いたい。

 右質問する。

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