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令和五年六月七日提出
質問第八一号

児童生徒の登下校時における日傘の使用に関する質問主意書

提出者  井坂信彦




児童生徒の登下校時における日傘の使用に関する質問主意書


 近年の猛暑に対して、「児童生徒の登下校時における日傘の使用が学校から禁じられている」という投稿が、SNSや新聞の読者欄などに掲載されている。例えば令和二年、中國新聞には「小学生の娘が通学する時に日傘を持たせたいのですが、学校から駄目だと言われました。」という投稿があった。令和四年、東京新聞には「『登下校時の日傘使用は禁止』と小学校から言われ、意味が分かりません」という投稿が届いている。
 一方で、登下校時の日傘の使用を推奨している自治体もある。例えば、埼玉県熊谷市や福岡県筑後市では、市内に住む児童全員に日傘を配布し、通学や学外活動などで利用してもらっている。また、兵庫県稲美町では町立小学校の全児童に日傘を貸し出している。他にも、埼玉県川越市や奈良県香芝市などが、自治体として日傘の使用を呼び掛けている。しかし多くの自治体が、登下校時の日傘の使用許可について「各校の判断」としており、指導が統一されていない。
 令和三年五月、環境省と文部科学省は、「学校における熱中症対策ガイドライン作成の手引き」を発表した。これは、教育委員会等の学校設置者等が、学校向けの熱中症対策ガイドラインの作成・改訂の際に、各地域の特性等を踏まえてこの手引きの内容を参考にするものである。この手引きの中で、熱中症の予防策の一項目として、服装・装具の配慮が挙げられており、服装に気を付けることなどが述べられている。服装は軽装とし、通気性のよい素材のものが適切であり、直射日光は帽子で防ぐように記載されている。その他、運動時のプロテクター等の保護具への配慮や、マスク着用時のリスクなどが記載されているが、日傘の使用については触れられていない。
 一方で厚生労働省は、リーフレットやウェブサイトにおいて日傘の使用を推奨している。また、環境省の熱中症予防リーフレットや、熱中症予防情報サイトにおいても日傘の使用を推奨している。その他、厚生労働省・経済産業省・環境省「高齢者のための熱中症対策」、環境省・内閣府・消防庁・厚生労働省「災害時の熱中症予防」、環境省・厚生労働省「熱中症予防×コロナ感染防止で『新しい生活様式』を健康に!」など、政府が発行する様々なリーフレットやウェブサイトにおいて、日傘の使用が推奨されている。
 このように政府全体としては日傘の使用を推奨しているにもかかわらず、体力的に弱い児童生徒が日傘を使用することについて政府からのメッセージが整っていないことから、以下、政府の見解を質問する。

一 文部科学省から各自治体の教育委員会に対して、児童生徒の日傘の使用についてどのような指示を出しているか。
二 児童生徒の日傘の使用について、自治体ごとに判断が分かれており、更に各学校で判断が分かれている。このことにより、猛暑でも日傘の使用を禁止している学校が存在することについて、政府の見解を伺う。
三 日傘の使用を禁止しているのには、何らかの理由があると考えられる。日傘の使用によって想定されるリスクやデメリットについて、政府の見解を伺う。
四 教育委員会等が参照する「学校における熱中症対策ガイドライン作成の手引き」の中に、登下校時の日傘使用についての効果と、逆にリスクも含めた注意点等を記載して、日傘を使用するための手段・指導方法等を示す必要があるのではないか。
五 熱中症対策として、多くの省庁がリーフレットやウェブサイトで日傘の使用を推奨している。政府としては、登下校時の日傘の使用を推奨するのかしないのか、見解を伺う。
六 すでにいくつかの自治体では、児童生徒に対して独自に日傘の配布や貸出しを行っている。子どもたちを熱中症から守る安全対策と考えると、今、政府が拡大しようと考えている子育て支援施策の一つとも考えられる。こうした先行事例に対し、政府として支援を行うべきと考えるが、見解を伺う。

 右質問する。

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