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令和五年六月十三日提出
質問第九五号

海外留学の促進に関する質問主意書

提出者  鈴木 敦




海外留学の促進に関する質問主意書


 海外留学については、新型コロナウイルス感染症のまん延により約三年間にわたって世界的に人的交流が停滞した上、ロシア・ウクライナ紛争の影響もあり、物理的に海外で学ぶことの困難さが増している。
 一方、複雑化、多様化する世界情勢の潮流や、最も緊張状態にあるといわれる安全保障環境を俯瞰すると、国際的な人的交流の重要性はより一層増している。お互いを尊重し、理解を促進していくためには互いの文化に触れながら海外の教育や知識を自国に持ち帰る重要性は今後も増していくであろう。
 特に、教育の早い段階で海外留学をすることは、日本の文化を海外で紹介するだけでなく、海外の文化への理解を深め、尊重しながら、海外におけるものの考え方や知識を習得し、我が国に持ち帰り、将来の糧とする上で極めて有用であると考えられる。
 右を踏まえ、以下質問する。

一 世界情勢の複雑化やG7広島サミットを見ても、多国間の人と人とのつながりがより重要性を増す中で、教育の早い段階から国際感覚を養うことは有益であるにもかかわらず、我が国の高校段階の留学者数は低迷している。新型コロナウイルス感染症が蔓延する前の、平成二十九年、三カ月以上の海外留学を実施した高校生は四千七十六名であり、全高校生の約〇・一%である。政府としては、この数値について多いと考えているのか、それとも少ないと考えているのか伺う。
二 イノベーションを起こすのは常に人であり、人への投資無くして我が国の発展はなし得ない。また政府が推進している成長と分配の好循環のためにも、将来、海外の知見を持ち帰り我が国のイノベーションの礎となる若者の、留学需要に応え得る量と質を備えた留学支援が求められる。政府は留学支援策として、高校生・大学生の留学機会の確保と社会にイノベーションを起こすグローバル探求リーダーの育成を目的として「トビタテ!留学JAPAN」事業を官民共同で展開していると承知しているが、その採用倍率は非常に高いものとなっている。コロナ禍の影響で令和四年度の実績は応募者数千四百十九名に対して採用者数七百四名で倍率は約二・〇一倍と低くなったものの、本年度の実績は応募者数二千二百三十八名に対して採用者数七百八名で倍率は約三・一六倍であり、特に留学期間が長期になる程倍率が高くなる傾向にある。事業全体としてはコロナ禍で落ち込んだ留学者数を令和九年度までに少なくともコロナ禍前の水準に戻すことを目標にしているが、現状の水準では若者の留学需要に十分対応できていないと考える。政府として留学需要に十分対応できていると考えているのか。改善する意図があるのか伺う。
三 政府の「未来を創造する若者の留学促進イニシアティブ(第二次提言)」においては、日本人学生の海外留学を二〇三三年度までに五十万人まで増加させるとの目標が示されている。その内訳は高等教育段階において学位取得等を目的として留学する者を八万八千人増、日本の大学等に在籍しながら中短期の留学を行う者を十一万七千人増、また中等教育段階で研修旅行等を行う者を六万七千人増、留学する者を六千人増させることとしているところである。しかし、目標に据えられている「早期からの海外経験」を実現しようと思えば、むしろ中等教育段階、特に高校段階の留学生を増加させるべきだが、目標は前述のとおり六千人増にとどまっている。また同イニシアティブの記載も高校段階の留学生については「様々な支援の充実」と具体性に欠ける記載ぶりとなっているが、高校段階の留学生を拡充する意思はあるのか。あるいは六千人の増加で十分その目標を達成したと考えているのか伺う。

 右質問する。

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