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令和五年十二月一日提出質問第八五号
除染特別地域内の土地等に係る除去土壌等の中間貯蔵に関する質問主意書
提出者 馬場雄基
除染特別地域内の土地等に係る除去土壌等の中間貯蔵に関する質問主意書
平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法第二十五条に定める除染特別地域で発生した除去土壌については、中間貯蔵施設において処理され、土壌貯蔵施設に保管されているところであるが、この除去土壌の再生利用等について、我が国の環境省が国際原子力機関(以下「IAEA」という。)に対して国際的な観点からの評価・助言を求め、これまでに二回の専門家会合が開催されている。このことに関連して、以下、質問する。
一 IAEAの専門家会合は、令和五年五月八日から十二日に日本で第一回会合が、令和五年十月二十三日から二十七日にウィーンのIAEA本部で第二回会合が、それぞれ開催され、今後第三回会合の開催が予定されているところであるが、これらの会合は、現地視察等の一部を除いて原則非公開とされており、会合の内容は、開催の数か月後に英文のサマリーレポートによって概要が公表されるだけである。第一回会合のサマリーレポートは、令和五年九月一日に、環境省によって公表されたが、当初全文の邦訳は作成されず、英文による原文の外、「除去土壌の再生利用等に関する国際原子力機関(IAEA)専門家会合(第一回)サマリーレポートのポイント」という概要説明と、ごく一部分の「要旨(仮訳)」が公表されたのみであった。その後、令和五年十一月十日の衆議院環境委員会において環境大臣が「全体の和訳を作成」すると答弁されたところであるが、東日本大震災と、それに伴う原子力発電所の事故からの復興については、何事においても、広く国民に対してオープンに進めるべきと考える。既に第二回専門家会合が終了し、最終回となる予定の第三回専門家会合も来年の早い時期に開催される方向で既に調整段階に入っているが、第一回会合サマリーレポートの全文訳はいつ公表されるのかを示されたい。併せて、IAEA専門家会合の公開を含め、復興事業の公開性について、政府の所見を問う。
二 前述の衆議院環境委員会において、政府参考人が「(IAEAに)私たちの(中略)考えというものもしっかりとお伝えしていきたいというふうに考えております。」と答弁しているが、ここでいう「しっかりと」とは、何を意味するのか。IAEAに伝える内容を具体的に示されたい。
右質問する。