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令和六年五月二十四日提出
質問第一〇一号

在日米軍基地から排出されたPCB含有機器の処理に関する質問主意書

提出者  屋良朝博




在日米軍基地から排出されたPCB含有機器の処理に関する質問主意書


 在日米軍基地から排出されたポリ塩化ビフェニル(以下「PCB」という。)に汚染された電子工作物等(以下「PCB含有機器」という。)は、いわゆる汚染者負担原則に基づく当事者である在日米軍に代わって防衛省が処理している。これについて、二〇二四年五月十三日の決算行政監視委員会第二分科会において、木原防衛大臣は、米軍自らがPCB廃棄物(「PCB含有機器」を含む。以下同じ。)を処理するとの方針を転換した理由について「我が国の国内でPCBの処理体制が構築される、そういったいわば状況の変化が生じた」と答弁した。また、環境省の国定大臣政務官は、「米軍から防衛省に、これは、PCB廃棄物そのものではなく、建物等として引き渡され、防衛省が工事を行うことによってPCB廃棄物が結果として発生したものというふうに考えているところでございまして、これに照らせば、PCB廃棄物の譲渡あるいは譲受けには該当しないというふうに考えている」と説明し、建物ごと引き受けたため、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(平成十三年法律第六十五号。以下「PCB特措法」という。)に規定されるPCB廃棄物の譲り渡し、譲り受けに該当しないと答弁した。
 ついては、以下のとおり質問する。

一 上記の木原防衛大臣の答弁「我が国の国内でPCBの処理体制が構築される、そういったいわば状況の変化が生じた」について
 1 「状況の変化が生じた」と判断した時期及びその根拠を示されたい。
 2 木原防衛大臣は「米国防省は、二〇〇二年に、在日米軍の施設・区域にある全てのPCB廃棄物については米国に搬出して処理、廃棄する方針を決定した」と答弁しており、二〇〇二年十二月の日米安全保障協議委員会(「2+2」)会合共同発表において、「双方は、在日米軍に関連したPCB問題の解決へ向けた進展を歓迎し、合同委員会において環境分野での建設的な協力を継続することの重要性を強調した」として、その方針は日米両政府において確認されている。その後、いわゆる汚染者負担原則に基づく当事者である在日米軍に代わって防衛省が処理することについて、日米間の合意はあったのか。ある場合は、合意した時期、合意した機関及び合意した内容を明らかにされたい。
二 在日米軍基地に存在するPCB廃棄物の処理について
 1 PCB廃棄物の目録の有無、現有総量について、政府として把握しているところを明らかにされたい。
 2 中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)は来年度中に作業を終了する予定であり、環境省はPCB廃棄物処理基本計画に在日米軍が排出するPCB廃棄物は含まれないとしている。今後、どのように処理するのか政府の方針を明らかにされたい。
三 処理費用の日本側負担について
 1 現在、政府はPCB廃棄物の処理経費負担の根拠について日米地位協定第二十四条2を適用しているが、当初、二〇〇二年に米軍が全てのPCB廃棄物を処理、廃棄する方針を示していた時点での費用負担については日米地位協定のどの条項に基づく措置としていたのか明らかにされたい。
 2 1の適用条文について、米側負担から日本側負担に変更した際の合意議事録及び合意文書の有無を明らかにされたい。存在する場合は、合意の時期及び合意議事録、合意文書の内容を示されたい。
 3 費用負担者の変更を国会に諮ることなく決定した理由を明らかにされたい。
四 上記の国定環境大臣政務官の答弁中「米軍から防衛省に引き渡された建物」(以下「建物」という。)から出てきたPCB含有機器について
 1 PCB含有機器に関し、@機器の種類、A数量、B日時、C施設名、D各々の機器は電路に接続されていたかどうかについて、それぞれ明らかにされたい。
 2 建物ごと引き受けたため、PCB特措法第十七条で規定されるPCB廃棄物の譲り渡し、譲り受けの禁止に当たらないとする根拠を説明されたい。
 3 建物で見つかったPCB含有機器が電路に接続されていたかどうかが不明、あるいは明らかにできない場合、PCB特措法に照らして適切な処理であったのかどうかをどのように説明するのか、法的根拠を含めて政府の見解を示されたい。
 4 建物を引き取る際に在日米軍、防衛省ともPCB廃棄物の有無を確認しなかった理由を示されたい。また、PCB廃棄物の有無を確認しなかったことは手続上の瑕疵に当たるのではないか、政府の見解を示されたい。
 5 防衛省が処理した在日米軍のPCB廃棄物は、平成十四年時点で在日米軍が保管していると明らかにし、独自に処理するとの方針を決定していた三千百十八トンに含まれるのか明らかにされたい。

 右質問する。

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