質問本文情報
令和六年十月一日提出質問第五号
いわゆる石破ショックと応能負担の原則に関する質問主意書
提出者 中谷一馬
いわゆる石破ショックと応能負担の原則に関する質問主意書
一 二〇二四年九月二十七日の自民党総裁選挙の決選投票で、石破茂総裁が選出された際に、金融市場は大きく反応した。直前には一ドル百四十六円台で推移していたドル円レートは、一気に一ドル百四十三円台まで急速に円高が進み、日経平均先物株価指数も二千円近くの大幅下落となった。海外市場に入ってからも円高・株安の流れは緩やかに続き、米国市場ではドル円レートは百四十二円程度まで円高が進み、日経平均先物株価指数の下落幅は二千五百円程度にまで拡大した。金融市場では、この市場の動きが「石破ショック」と表現された。まずこうした状況を石破茂新内閣はどのように捉えているのか所見を伺いたい。
二 この石破ショックは、石破茂内閣総理大臣が総裁選で、負担能力のある人や企業に負担してもらう応能負担の原則に基づき、金融所得への課税強化、法人税の増税に意欲を示したことや、財政規律を重んじていることから、景気を冷え込ませる緊縮財政になるとの見方も出ていたことに加え、追加利上げに進むとの憶測が流れたことが原因ではないかと考察されているが、石破茂新内閣はこうした状況をどのように捉えているのか所見を伺いたい。
三 石破茂内閣総理大臣は、報道によれば、本年九月二日のテレビ番組において、株式の譲渡益や配当に係る金融所得課税の強化について「実行したい」と述べたとされるが、いつ頃、何パーセント程度の税率の見直しを行う考えであるのか、石破茂新内閣の見解を確認したい。
四 石破茂内閣総理大臣は、報道によれば、同月二十一日のインターネット番組において、「法人税は引き上げる余地がある」、「税負担する能力がある法人はまだある。もう少し負担をお願いしたい」と述べたとされるが、いつ頃、何パーセント程度の税率の見直しを行う考えであるのか、石破茂新内閣の見解を確認したい。
五 石破茂内閣総理大臣は、報道によれば、同インターネット番組において、所得税に関して、負担能力のある個人への所得増税に言及したとされるが、いつ頃、誰を対象に、どの程度の税率の見直しを行う考えであるのか、石破茂新内閣の見解を確認したい。
六 石破茂内閣総理大臣は、総裁就任後に日本銀行が政策金利を早期に引き上げることに慎重な考えを示したと報じられているが、年内に追加利上げが行われる可能性についてどのように考えているのか、石破茂新内閣の見解を確認したい。
七 石破茂内閣総理大臣は、物価高対策として財政出動の必要性も強調しているが、具体的にはどのような施策を講じる想定であるのか、石破茂新内閣の具体策を示されたい。
八 法人税、所得税、金融所得課税、日本銀行の政策金利、財政出動に関する議論は、経済や国民生活に大きな影響を与える重要な課題であり、速やかに議論を積み重ねる必要がある。こうした状況を踏まえ、党利党略で衆議院の解散を優先するのではなく、国民の生活を第一に考え、今国会でしっかりと議論を行い、結論を出すべきであると考えるが、石破茂新内閣の見解を確認したい。
右質問する。