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令和六年十月三日提出質問第三三号
森林政策に対する基本姿勢に関する質問主意書
提出者 原口一博
森林政策に対する基本姿勢に関する質問主意書
森林は、国土の保全、水源の涵養、生物多様性の保全、地球温暖化の防止、文化の形成、木材等の物質生産等の多面的機能を有しており、国民生活に様々な恩恵をもたらす「緑の社会資本」である。それらの機能を適切に発揮させていくためには、将来にわたり、森林を適切に整備及び保全していかなければならない。
しかしながら、我が国の林業は、木材の輸入自由化等の影響により、長期にわたる木材価格の下落等の厳しい状況が続いており、森林所有者の手元にほとんど利益が残らないため、森林所有者の林業経営への関心は低下し、適切な経営管理がされず、森林の荒廃が進んでいる。
こうした状況の中、不動産登記法の改正により、令和六年四月から相続登記が義務化された。これまで未登記であった森林の登記が進むと、森林の売買が増加する可能性がある。他方、森林の所有については、外国資本により森林が取得され、将来にわたる水源確保が懸念されるとの報道がある。これらを踏まえ、以下、質問する。
一 森林所有者の林業経営への関心を高めるためには森林所有者の利益を適切に確保していくことが重要であり、そのためには、グローバリズムに基づく輸入に依存した木材産業の構造を是正し、国産木材の利用を中心とした産業振興に注力すべきであるが、政府の見解を示されたい。
二 林野庁が本年七月に公表した「外国資本による森林取得に関する調査の結果について」によれば、居住地が海外にある外国法人又は外国人と思われる者によって、平成十八年から令和五年までの累計で三百五十八件、二千八百六十八ヘクタールもの森林が取得されている。森林が外国資本に取得されている現状について、政府はどのように分析しているのか明らかにされたい。また、今後、どのような対策を講じるつもりがあるのか、政府の見解を明らかにされたい。
右質問する。