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令和六年十月三日提出
質問第三四号

政府が保有する日本電信電話株式会社の株式の処分等に関する質問主意書

提出者  原口一博




政府が保有する日本電信電話株式会社の株式の処分等に関する質問主意書


 日本電信電話株式会社(NTT)及びその子会社が保有する様々な設備や研究所などの施設は、電話の設置という目的のために国民の負担により整備された我が国の国民固有の「特別な資産」であり、NTTだけでなく他の情報通信事業者にとっても事業活動の基礎的インフラである。現在、政府では、NTTの株式に係る政府の株式保有義務の撤廃及び外国人等の株式取得に対する規制の緩和又は撤廃が検討されていると承知している。
 ついては、本件に関し、以下、政府の見解又は把握するところを答えられたい。

一 令和六年八月末現在、NTT株式の時価総額は約十四兆千億円であるが、これはNTTが保有する、暗渠等のインフラ、研究所、知的財産、技術力、それらの源となる人的資源等の資産価値に比べ過小に評価されている。これらの義務の撤廃等の検討の前に、会社の資産価値等を調査して評価するいわゆるデューデリジェンスが必要であるが、政府は、NTTやその子会社に対してこれを行ったのか。行っていないのであれば、適切なプロセスを経ずに無責任な検討が継続されていることとなり由々しき事態であるが、その理由を答えられたい。
 また、NTTが保有する資産の数々は、国民の負担を基に築き上げたものであり、我が国民の資産であると言えるが、政府にそのような認識はあるのか。
二 これらの義務の撤廃等が行われると、東京証券取引所における売買株式数の約七割が外国人投資家である現状を鑑みれば、NTTの経営に対する外資の影響力の増大は必至である。これは、同社の「特別な資産」の上に構築された我が国の情報通信産業、ひいては我が国の産業全体が、外資の影響力に対して脆弱になることを意味する。そのような状況は、我が国の経済安全保障上大きな懸念を生じさせ、また、災害等の非常時において極めて重要な情報通信インフラの安定性を損ね、国民の安全を脅かすものとなる。すなわち、こうした義務の撤廃等は日本を売り飛ばす暴挙であると言っても過言ではない。政府は当然にこのことによるリスクを承知しているものと思うが、政府の見解を伺いたい。その上で、なぜこのような検討を継続しているのか、その理由を伺いたい。

 右質問する。

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