質問本文情報
令和六年十月四日提出質問第五〇号
北朝鮮への大量の現金の移転に関する質問主意書
提出者 松原 仁
北朝鮮への大量の現金の移転に関する質問主意書
産経新聞は、本年八月二十二日、八月下旬から北朝鮮を訪れていた朝鮮大学校の学生らによる訪朝団が、在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総連)側から指示を受け、合計で数千万円程度を北朝鮮に持ち込んだとの情報があると報じた。
政府は、平成二十八年二月十九日の閣議了解「外国為替及び外国貿易法に基づき北朝鮮向けの支払を原則禁止とする措置について」を受けて、外為法に基づき、北朝鮮に住所等を有する個人等に対する支払を原則禁止とする措置を講じることとし、平成二十八年二月二十六日から実施し、その例外としては、人道目的かつ十万円以下の場合であると発表している。
そこでお尋ねする。
一 北朝鮮に支払手段等を携帯輸出し、北朝鮮に住所等を有する者に交付する行為は、禁止されている支払に該当するか、お尋ねする。
二 人道目的であれば、北朝鮮に住所等を有する者に十万円相当額を超える支払を行うことは許可されるか、お尋ねする。
三 財務省関税局長は、令和五年四月十日、各税関長及び沖縄地区税関長に対して、「北朝鮮に対する全貨物の輸出禁止措置等に伴う税関の対応について」と題した通達の「5.厳格な法執行」で、「関係部門が緊密に連携し、税関業務を一層厳正かつ的確に実施するとともに、違法行為が発見された場合には、厳正に対処すること。」と指示したが、本通達は現在でも有効か、お尋ねする。
四 国際連合安全保障理事会(安保理)決議第二千九十四号十四の規定は、大量の現金の北朝鮮への移転が、安保理決議により課された措置を回避するために使用され得ることに懸念を表明し、すべての国が、安保理決議の規定に定める資産移転防止等の措置を、北朝鮮に向けて及び北朝鮮から通過する現金伝書使を通じたものを含む現金の移転に適用することを明確にした。また、安保理決議第二千三百二十一号三十五の規定は、安保理によって課される措置を回避するために大量の現金が使用され得ることへの懸念を改めて表明するとともに、加盟国に対してこのようなリスクを警戒するよう要請した。政府は、これらの規定を含む安保理決議を誠実に履行するか、お尋ねする。
五 前項の安保理決議にある「大量の現金の北朝鮮への移転」は、一人の現金伝書使が大量の現金を運搬することのみならず、集団が小分けにして大量の現金を運搬することをも意味すると考えるが、政府の見解如何。
六 政府は、北朝鮮向けの違法な支払が発見された場合には、法と証拠に基づき適切に対処するか、お尋ねする。
右質問する。