衆議院

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令和六年十月四日提出
質問第五二号

中国における日本人男児殺害事件に関する質問主意書

提出者  松原 仁




中国における日本人男児殺害事件に関する質問主意書


 柳条湖事件から九十三年目の本年九月十八日、中華人民共和国(中国)広東省深圳市で、日本人学校に登校中の日本人男児が、刃物を持った男に襲われて死亡した。犯行の態様は通州事件を想起させる残虐なものであった。
 本職は、衆議院外務委員会の質疑及び質問主意書で繰り返し政府に対して、外務省海外安全ホームページの中国の危険情報を全域で「危険レベル一」以上にせよと強く求めてきた。もしも政府が中国の危険レベルを実態に即して引き上げていたならば、中国当局は経済への悪影響を恐れて警戒警備を強化し、事件は起きていなかった可能性が高い。事件は防ぐことができたと思うが、政府に猛省を促したい。
 本事件についてお尋ねする。

一 外務省はいまだ中国の危険レベルを引き上げておらず、「レベル三 渡航を再考せよ」とするアメリカ合衆国政府、「高度な注意を払うように」とするカナダ政府、「レベル二 高度な注意を払うように」とするオーストラリア連邦政府及び「レベル二 より一層の注意を払うように」とするニュージーランド政府の客観的評価と乖離している。国民の間からは、インド共和国及びサウジアラビア王国の全域が危険レベル一以上であることと比較して、中国の大半がいわゆるレベル零であるのは明らかにおかしいとの声が上がっている。外務省は、危険レベルの設定に当たって、中国政府にいわゆる忖度を行っているか、お尋ねする。
二 中国外務省の林剣報道官は、本年九月十九日の記者会見で、本事件について、「類似の事件はいかなる国でも起きる可能性がある」と主張した。開き直りともとれる発言に、多くの国民が激しい憤りを覚えたが、政府の見解如何。
三 上川陽子外務大臣(当時)は、王毅中国外交部長に対して、本年九月二十三日、本事件について犯人の動機を含む一刻も早い事実解明と日本側への明確な説明を強く求めたが、中国側はいまだ行っていない。中国の姿勢は極めて不誠実であり、容認しがたいと思うが、政府の見解如何。また、上川大臣は、中国に在留する日本人、とりわけ子どもたちの安全確保のための具体的措置を強く求めたが、王毅部長から納得のいく回答はあったか。さらに、上川大臣は、日本人学校に関するものを含む、根拠のない悪質で反日的なソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の投稿等は、邦人児童の安全に直結し絶対に容認できないとして早急な取締りの徹底を強く求めたが、これについて王毅部長からいかなる回答があったか、お尋ねする。
四 本事件について、中国四川省の地方政府幹部が、「我々の規律は日本人を殺すことだ」等の投稿をSNSに行ったと報道されている。政府の把握しているところを明らかにされたい。
五 中国の教育現場で、日本人への憎悪感情を煽るいわゆる反日教育が長年行われており、本事件容疑者の動機となった可能性が高い。政府は、中国に対して、反日教育を止めるよう強く要求すべきと考えるが、見解如何。
 
 右質問する。

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