質問本文情報
令和六年十一月十一日提出質問第四〇号
中国の大使級総領事が行った選挙運動に関する質問主意書
提出者 松原 仁
中国の大使級総領事が行った選挙運動に関する質問主意書
中華人民共和国(中国)の薛剣駐大阪大使級総領事は、第五十回衆議院議員総選挙の選挙運動期間中の本年十月二十五日、自らの官職名を明示したソーシャル・ネットワーキング・サービス「X」の公開アカウントにおいて、「全国どこからでも、比例代表の投票用紙には「れいわ」とお書きください。」と投票を呼びかける文面が表示されるれいわ新選組の山本太郎代表の街頭演説の動画を引用して表示させ、「世界のどの国も一緒だけど、政治が一旦歪んだら、国がおかしくなって壊れ、特権階層を除く一般人が貧乏なり、とうとう地獄いきなんだ。」と推薦する投稿を行った。薛大使級総領事のアカウントは、フォロワー数が現在八万二千以上あり、非常に影響力がある。
本件についてお尋ねする。
一 外交関係に関するウィーン条約(昭和三十九年条約第十四号)第四十一条1は、外交官は、接受国の国内問題に介入しない義務を有すると定めている。外交官が、接受国の国政選挙について選挙運動を行うことは、義務に違反するか。政府の見解如何。
二 政府は、薛大使級総領事による本件選挙運動を承知しているか。承知しているとするなら、いかなる措置を講じたか、明らかにされたい。
三 薛大使級総領事が、令和三年、ツイッター(当時)のアカウントにおいて、「台湾独立=戦争。はっきり言っておく!中国には妥協の余地ゼロ!!!」と恫喝する投稿を行ったことは、本職が、「中国の大使級総領事による台湾への「戦争」恫喝に関する質問主意書」(第二百七回国会質問第三〇号)で述べたとおりである。また、本職が、本年五月三十一日に開催された衆議院外務委員会で述べたように、薛大使級総領事は、和田有一朗衆議院議員、北神圭朗衆議院議員等の複数の国会議員に対して、台湾といかなる接触も往来もするなと圧力をかける文書を送っている。政府は、許されない行動を繰り返す薛大使級総領事はペルソナ・ノン・グラータであることを通告して、追放すべきと考えるが、見解如何。
四 防衛省防衛研究所は、令和四年に刊行した「中国安全保障レポート2023」において、中国が、影響力工作と呼ばれる心理・認知の領域における国家の活動を、活発化させていると述べた。アントニー・ブリンケン米国国務長官は、本年四月二十六日、CNNのインタビューで、中国が米国の今後の選挙に「影響力を行使し、ほぼ間違いなく干渉」しようと試みている証拠を確認したと明らかにした。中国の大使級総領事が我が国で公然と選挙運動を行った事実からみて、中国による秘密裏の影響力工作は極めて大規模に行われていると考えられるが、政府の見解如何。
右質問する。