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令和六年十二月十七日提出質問第七一号
有機フッ素加工物がこどもの健康に及ぼす影響に関する質問主意書
提出者 阪口直人
有機フッ素加工物がこどもの健康に及ぼす影響に関する質問主意書
近年話題になっている「永遠の化学物質」といわれる有機フッ素化合物(PFAS)は、こどもへの影響は具体的に解明されていないのが現状である。
化学物質の汚染は、胎児、乳幼児、児童、成長期のこどもたちの体に大きな影響を与える。胎児は胎盤から、乳幼児は母乳からダイレクトに代謝物が移行して、最も体に影響を受けやすい(母子間での農薬移行の実態をあらゆる行動実験で研究している神戸大学大学院教授の星信彦氏論文)。原因と結果の因果関係が完全に確立されていない不確実性があったとしても、考慮すべきという予防原則の観点で、曝露を極力下げるよう取り組むことが世界中の常識となっている。
以下、政府に対し具体的に質問する。
一 環境省は、体重五十キログラムの人が水を一生涯にわたって毎日二リットル飲用したとしても、PFASが、この濃度以下であれば人の健康に悪影響が生じないとする水準を基にこの目標値を設定している。五十ナノグラム/Lというのは、大人の体重を想定している。体重の少ないこどもたちも同基準でよいのか。
二 科学的妥当性が担保されている環境省が二〇一〇年度に始めた「エコチル調査」の結果を、内閣府食品安全委員会のPFAS健康影響評価書案に反映するよう、こども家庭庁からも働きかけるべきではないか。
三 イスラエル、フィンランドでは血液検査が行われていると聞く。我が国においてもPFASに限らず、希望者のみだけでも血液検査を行うなどして、こども期の化学物質曝露を調査し、科学的にデータを蓄積し、保育、教育、医療の現場で活かすことが必要ではないか。
四 日本国内で現在、PFAS汚染が確認されている地域のこどもの健康について、文部科学省、厚生労働省、環境省は追跡調査をするべきではないか。
右質問する。