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令和六年十二月十七日提出質問第七八号
農業における高温被害及び害虫被害への対策に関する質問主意書
提出者 奥野総一郎
農業における高温被害及び害虫被害への対策に関する質問主意書
我が国の年平均気温は、百年当たり一・三五℃の割合で上昇し、世界平均の二倍近い上昇率で温暖化が進み、このことが農業における重大なリスクとなっており、作物の収量減少・品質低下など、生産現場に大きな影響が生じている。また、害虫のまん延リスクの増加にも繋がっており、害虫防除が喫緊の課題となっている。
水稲については、高温によって白未熟粒や胴割れ粒が生じることにより、品質が低下しており、令和五年産米では、一等米の比率が過去最低の六十・九%となった。果樹については、りんごやぶどうの着色不良、うんしゅうみかんの浮皮や日焼け、日本なしの発芽不良などが発生している。
害虫については、気温上昇による分布の北上・拡大、発生量の増加、越冬の可能性が報告・指摘されている。本年においては、カメムシ類などの大発生が予測される事態が生じて、病害虫発生予察情報のうち、警報が四県で発出された。
このような、高温や害虫の大量発生の被害対策として、農業現場における遮熱資材の導入や農薬散布等の害虫防除への支援が必要と考える。
これらを踏まえ、以下、質問する。
一 令和二年以降における高温及び害虫による農業被害額を、可能な限り示されたい。
二 国が農業者に対して行っている、高温被害及び害虫被害の防止に関する施策を具体的に示されたい。また、これらの施策が、農業被害を防止する対策として十分であったのか、政府の見解を示されたい。
三 令和五年度補正予算で措置された「高温対策栽培体系への転換支援」事業を継続し、農業者の遮光資材の導入等高温被害対策への支援をさらに拡充する必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。
四 害虫被害を防止するためには、農薬散布による駆除や、防虫ネットの設置による侵入防止などの対策が重要である。加えて、防虫ネットを設置した際の温度上昇を抑制するための遮光資材等の設置も必要である。このため、農業者が行う害虫被害防止対策やそれに付随する対応について、国が支援する必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。
右質問する。