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令和六年十二月十七日提出
質問第八四号

羽田空港離着運用における新ルートと従来ルートの処理能力に関する質問主意書

提出者  阿部祐美子




羽田空港離着運用における新ルートと従来ルートの処理能力に関する質問主意書


 二〇二四年七月二十九日に国土交通省が提供した同年二月、三月の羽田空港離着陸詳細運用実績の新ルートおよび従来ルートそれぞれの処理実績数(南風運用部分)を見ると、新ルート導入効果がどこまであるのか疑問に思われる。特に新ルート特有の何らかの運用障害に伴って、新ルートの運用時間帯にもかかわらず従来ルートへの運用変更が発生している。またWEBの運航軌跡から、毎日二度行われる新ルートと従来ルート切替え時における時間ロスの可能性も見られる。
 そこで以下の事項について質問する。

一 南風時の時間ごとの離着陸運用実績を見ると、繁忙時間帯を中心にそれぞれ一時間当たり九十回を超える実績がある。冬場のため南風運用自体が少ない中の情報ではあるが、元々従来ルートの時間値(理論的な処理能力)八十二回では増便が厳しいために時間値九十回が実現できる新ルートを始めたはずである。ところが従来ルートでは一時間当たり最大九十五回、新ルートでは最大九十四回の実績が報告されており、この結果は二〇二〇年三月から始まった年間三万九千回増のダイヤ計画が従来ルートを運用しても十分さばけるのではないかと推認できる。従来ルートと新ルートの理論的な時間値の能力差はあるとしても、現在国交省が二〇三〇年代までをにらんで計画している羽田の処理能力は現状の能力のまま変更せず、成田は二〇二八年には第三滑走路増設で合わせて年間百万回の処理能力を実現するとある。であれば、都心上空で騒音被害をはじめ多くの問題を引き起こしている新ルートを継続する合理性が薄弱に思えるが、政府の見解を問う。
二 新ルートの午後の運用は原則午後三時から七時までの四時間のうちの三時間であるが、南風運用実績を分析すると、新ルートの運用時間帯であるにもかかわらず従来ルートで運用しているケースがみられる。天候等による緊急回避的な措置だけでなく、羽田特有の南西の風が強い場合に横風であおられることを避けるために従来ルートに変更しているケースもあると考えられる。そこで、過去三年間において新ルートの運用時間帯にこれを回避して従来ルートで運航した回数を可能な限り示した上で、その理由の内訳を伺う。
三 国交省が随時WEB動画で提供している運航軌跡を見ると、午後の南風運用時に従来ルートから新ルートへの切替え、また逆の従来ルートへの戻し時それぞれの運用状況を概観すると、切替え時間帯に羽田に近い離着陸の空域にほとんど飛行機がいない状況が発生している。安全確保のための技術的に必要な措置と思われるが、結果として切替えをしないシームレスな運用の場合に比べ、時間ロスが発生しているのではないか。さらに、羽田離着陸遅延の常態化の一因となってはいないのか。時間ロスの発生の可能性を、技術的な課題があればそれも含めて、政府の認識を伺う。

 右質問する。

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