答弁本文情報
令和六年十二月二十七日受領答弁第八四号
内閣衆質二一六第八四号
令和六年十二月二十七日
内閣総理大臣 石破 茂
衆議院議長 額賀福志郎 殿
衆議院議員阿部祐美子君提出羽田空港離着運用における新ルートと従来ルートの処理能力に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員阿部祐美子君提出羽田空港離着運用における新ルートと従来ルートの処理能力に関する質問に対する答弁書
一について
御指摘の「従来ルートを運用しても十分さばける」の意味するところが必ずしも明らかではないが、交通政策審議会航空分科会基本政策部会首都圏空港機能強化技術検討小委員会における検討の結果、平成二十六年七月八日に「首都圏空港機能強化技術検討小委員会の中間取りまとめ」において、御指摘の「従来ルート」で「常時達成可能な時間値は出発四十一回・到着四十一回(合計八十二回)」であって、御指摘の「新ルート」の運用により御指摘の「時間値」を「九十回(出発四十六回、到着四十四回)」に拡大することができると示されていることから、当該従来ルートの運用のみでは常時、御指摘の「一時間当たり最大九十五回」の運用を行うことは困難である。また、御指摘の「年間百万回の処理能力を実現する」ためには、成田国際空港における御指摘の「第三滑走路増設」に加えて、当該新ルートの運用が必要である。当該新ルートについては、将来的な航空需要の拡大を見据え、我が国の国際競争力の強化、首都圏における航空機の騒音による影響の分散等の観点から、引き続き運用する必要があると考えている。
二について
お尋ねの「新ルートの運用時間帯にこれを回避して従来ルートで運航した回数」の意味するところが必ずしも明らかではないが、令和三年度から令和五年度までの過去三年間のうち、御指摘の「新ルートの運用時間帯」に御指摘の「従来ルート」のみで運用を行った日数は二十八日であり、その理由の内訳は、経路上の悪天候が一日、経路上の悪天候及び南西からの強風が二日、南西からの強風が二十三日、その他の理由が二日である。
三について
御指摘の「時間ロス」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「午後の南風運用時に従来ルートから新ルートへの切替え、また逆の従来ルートへの戻し」は、御指摘の「新ルート」の運用のために必要であり、当該新ルートの運用により、一で御指摘の「時間値」を九十回とすることを可能としている。御指摘の「切替え」及び「戻し」の実施に当たっては、安全確保のための措置を含め一定の時間を要するが、その際に行う措置は、風向の変化に伴う滑走路の運用方法の変更と同様であり、御指摘の「技術的な課題」はない。
また、御指摘の「羽田離着陸遅延の常態化」の意味するところが必ずしも明らかではないが、航空機の運航の遅延は、一般的には、天候や航空会社の事情等の複合的な要因により生ずるものであると考えている。