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令和六年十二月十七日提出
質問第九四号

能登の二重災害の直後に強行された衆議院選挙の日程に関する質問主意書

提出者  宮川 伸




能登の二重災害の直後に強行された衆議院選挙の日程に関する質問主意書


 石破内閣は発足から八日後の十月九日に衆議院を解散し、同月二十七日に投開票が行われた。これは戦後最短の日程であった。選挙の準備期間が短く、内閣が発足される前に選挙の日程が発表されるほど異例の状態であった。
 一方で、元日に大震災に見舞われた能登半島では、九月一日からの豪雨で二重災害を受けていた。多くの道路が寸断され、住宅が土砂に埋もれ、仮設住宅が被災したために再び避難を余儀なくされる人が出た。能登半島は十二月中旬ごろから雪が降り始めるので、その前に可能な限り復旧作業を終える必要があった。
 災害関連死も、十一月二十二日時点に認定済みの方だけでも二百三十五人となり、東日本大震災以来、最多となった。
 石破政権は、能登半島の復旧よりも衆議院選挙を優先させた。そのためにどのような弊害が起きたか、選挙の実施が適切な時期であったか検証する必要があると考える。以下、質問する。

一 十月九日に行われた石破茂総理と野田佳彦立憲民主党代表との党首討論で、野田代表が能登地域において選挙の日を遅らせる繰延べ投票を提案したところ、石破総理は「ここにおいて本当に投票が可能であるのかどうか。今の政治に対していろんな思いを最も持っておられるのは、ひょっとしたら被災地の方々かもしれません。そういう方々の思いが決してないがしろになることがないよう、この選挙の執行に関しましては、私は責任を持って万全を期してまいります」と答弁している。しかし実際には、輪島市や珠洲市で、他の地域よりも大きく投票率が下がった。
 1 輪島市、珠洲市の前回の投票所の数と今回の投票所の数はいくつか。政府の把握しているところを明らかにされたい。
 2 輪島市、珠洲市の通常の投票時間と今回最も短かった投票時間は何時から何時でその差は何時間か。政府の把握しているところを明らかにされたい。
 3 輪島市と珠洲市の投票率は前回と比べて何ポイント低下したか。政府の把握しているところを明らかにされたい。
 4 二重災害の直後に総選挙を実施したせいで、被災地における投票率が低下したと政府は認めるか。石破総理が約束した「万全を期した」選挙は行われたと考えているか。
二 私も総選挙後の十一月七日、八日に能登に伺い、ボランティア活動を行うと同時に被災者の皆さんの声を伺った。その中で、選挙の準備等で自治体職員が時間を取られ、被災者が公的な支援を受ける前提となる罹災証明の手続、復旧工事の発注など必要な災害対策が遅れた可能性が高いとのご指摘をいただいた。政府は、選挙の実施によって被災直後の貴重な自治体職員の労力が割かれたとの認識はあるか。
三 九月の豪雨で道路が寸断され、出勤できなくなった等の理由で、従業員の維持が困難になった企業からもお話をお聞きした。雇用調整助成金による雇用維持が必要な場面であったと考える。
 1 九月二十一日以降、雇用調整助成金制度の被災地への周知のために政府は具体的に何を行ったか。
 2 九月の豪雨災害のみ(地震の影響を受けない)の被災企業に対する雇用調整助成金特例措置の適用はいつから可能なのか。補正予算の成立で初めて可能になるのではないか。政府の見解を明らかにされたい。
 3 雇用調整助成金特例措置を直ぐに実施し、被災企業を支え、働き手の流出を止めるために、もっと早期の補正予算の提出が必要だったとの認識はあるか。総選挙を優先し、補正予算の提出、成立が遅くなったために特例措置の実施が遅れたとの自覚が政府にはあるか。
四 能登半島地震・豪雨災害の復旧・復興は遅れている。その理由の一つとして、数次にわたる場当たり的な予備費に頼り、補正予算で対応しなかったことが指摘されている。
 1 東日本大震災において、発災から何日後に補正予算は提出され、成立したか。
 2 平成二十八年熊本地震において、発災から何日後に補正予算は提出され、成立したか。
 3 能登半島地震、発災から何日後に補正予算が提出され、成立したか。
 4 他の大地震に比べ補正予算の提出が遅れた理由は何と考えるか。政府の見解を明らかにされたい。
五 石破茂総理は八月二十四日に総裁選への立候補を表明した記者会見で「全閣僚出席型の予算委員会というものを一通りやって、この政権は何を考えているのか、何を目指そうとしているのかということが、国民の皆さま方に示せたその段階で、可能な限り早く信を問うべきだ」との趣旨のことを述べた。実際には、豪雨災害により能登半島が甚大な二重被害を受けている時に、予算委員会も開催せず、戦後最短で選挙を実施した。被災地を見捨てたと指摘されかねない、この日程で選挙を実施しなければならなかった理由は何か。
 
 右質問する。

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