質問本文情報
令和六年十二月十七日提出質問第一〇六号
中国による南シナ海における不法かつ危険な行為に関する質問主意書
提出者 松原 仁
中国による南シナ海における不法かつ危険な行為に関する質問主意書
中華人民共和国(中国)による、南シナ海における最近の不法かつ危険な行為の数々は、全くもって許し難い。例えば、本年八月、フィリピン共和国の排他的経済水域内で、中国海警局の船舶が、フィリピン共和国の巡視船に故意に衝突し、これを損傷させた。また、今月四日、フィリピン共和国の排他的経済水域内で、中国海警局の船舶が、フィリピン共和国の巡視船に対して、放水砲による攻撃、故意の衝突、進路妨害、追尾等の危険な行為を行った。
多くの日本国民が、中国の行為に強い憤りを感じるとともに、友邦フィリピン共和国に同情し、また、「明日は我が身」との恐怖を感じている。
そこでお尋ねする。
一 中国が、南シナ海において、地域の緊張を高める行為を繰り返していることについて、政府の見解如何。
二 中国は、中国による一方的な「歴史的権利」主張を否定した平成二十八年の南シナ海に関する比中仲裁判断について、「ただの紙くず」と断じ、令和三年にも中国外務省報道官が、「紙くずだ。中国は受け入れない。」とこれを非難した。中国の薛剣駐大阪大使級総領事は、国際社会における法の支配について、今月九日、自らの官職名を明示したソーシャル・ネットワーキング・サービス「X」の公開アカウントにおいて、「「ルールに基づく国際秩序」、この西側政治屋たちが異口同音で口癖のようにこの洗脳フレーズを繰返している。まるでカルト集団のお経のようだ。所謂「ルール」と言うが、全く普遍性と公平性がなく、他国に一方的に強制しても、自分達が全く守らない。」と述べた。比中仲裁判断及びこれを受け入れない中国の姿勢について、政府の見解如何。
三 我が国は、同志国であるフィリピン共和国に対して、政府安全保障能力強化支援(OSA)を実施し、我が国との安全保障協力関係の強化、我が国にとって望ましい安全保障環境の創出及び国際的な平和と安全の維持・強化への貢献を図っているとのことだが、その概要及び現状について、具体的に説明されたい。
四 我が国は、米海軍及びフィリピン共和国海軍と共に海上協同活動(MCA)を実施し、共有する海洋安全保障上の課題に対処し、地域の安定を確保するため、三か国間の協力の深化を図っているとのことだが、その概要及び現状について、具体的に説明されたい。
五 東シナ海、南シナ海等の海空域において、既存の国際秩序とは相容れない独自の主張に基づき力によって現状を変更しようとする試みを阻止することは、我が国の安全保障にとって死活的に重要である。政府は、フィリピン共和国への政府安全保障能力強化支援を拡大するとともに、海上共同活動等をとおして協力関係をより一層深化させていくべきと考えるが、見解如何。
右質問する。