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令和七年一月二十八日提出質問第一九号
FMS調達の急増と未納入・未清算問題の現状等に関する質問主意書
提出者 原口一博
FMS調達の急増と未納入・未清算問題の現状等に関する質問主意書
私が提出した質問に対する答弁書(内閣衆質二一六第一九号)を踏まえ、次のとおり質問する。
一 ロシアによるウクライナ侵略を契機として、米国をはじめとするNATO加盟国は、ウクライナの領土防衛に協力するため、武器・弾薬の供与を続けている。とりわけ、米国については、ウクライナへ大量の武器・弾薬の提供を行ってきたため、自国を防衛するための武器・弾薬が枯渇するリスクが指摘されている。そのような環境下において、我が国は、高性能な防衛装備品を調達する際、米国の有償援助による調達(以下「FMS調達」という。)に頼りきりとなっている。特に、我が国のFMS調達額(当初予算額(契約ベース))は、令和四年度の約三千七百九十七億円から、令和五年度の約一兆四千七百六十八億円へと急増し、その後も一兆円前後で推移している。米国自身が必要な量の武器・弾薬の確保について困難な状況にある中、我が国が防衛装備品の安定的な調達確保を目指すのであれば、今後は、FMS調達は減じていくことが妥当であると考えられるが、政府の見解を伺いたい。
二 政府は、FMS調達による「未納入」件数及び「未精算」金額を減らすための各種取組が成果を上げているとする。しかし、我が国は、防衛装備品の調達において、複雑で高価な米国製防衛装備品への依存度が高いが、FMS調達では開発から実際に調達できるまで、一定の期間を要するため、その間も、ゲームチェンジャーとなり得るロシア製の極超音速ミサイル「オレシュニク」や、中国製の超音速戦闘機「ホワイトエンペラー」が登場した。FMS調達による防衛装備品の調達で、これら中露の新型兵器に対抗できるのか、政府の見解を伺いたい。
三 政府は、FMS調達によりグローバル・ホークを導入したが、我が国が導入したものは、米国が退役を決定した旧型であった。
1 平成二十六年に政府がグローバル・ホーク三機の導入を決めた当初、いつまでに配備を完了する予定であったのか。
2 実際に当該三機の配備を完了させたのはそれぞれいつなのか。
3 導入を決定してから配備まで八年以上の歳月が経過しており、配備までの間は我が国に必要な防衛力が不足していたと考えられるが、政府の見解を伺いたい。
四 政府は、トマホークの取得を一年前倒し、一部を旧型のブロックWの整備に切り替えたのは、スタンド・オフ防衛能力の早期の構築のためと説明していたが、米国はウクライナやイスラエルに対する近年の膨大な軍事支援の結果、米軍の兵器の備蓄が減少しているといわれており、旧型の取得は、実際のところは新型のみでは予定どおりの配備が困難になったからではないのか、政府の見解を伺いたい。
右質問する。