質問本文情報
令和七年二月五日提出質問第四一号
沖縄振興予算への国の関与のあり方に関する質問主意書
提出者 屋良朝博
沖縄振興予算への国の関与のあり方に関する質問主意書
令和七年度の沖縄振興予算(以下、「本予算案」という。)については、沖縄振興を総合的・積極的に推進する観点から、総額二千六百四十二億円を確保したとされる。令和七年度は、成長著しいアジアの玄関口としての地理的特性や全国一高い出生率などを活かして、「強い沖縄経済」を実現し、日本経済成長の牽引役となるよう、国家戦略として沖縄振興策を総合的・積極的に推進するとの政府の見解を踏まえ、以下質問する。
一 本予算案において、内閣府は、国直轄事業を増やし、沖縄県が自主的な選択に基づいて事業を実施できる沖縄振興一括交付金を減らしているため、国直轄事業と地方向け補助金の割合が更にいびつになっていると考える。また、近年の沖縄振興予算は、繰越額と不用額が多額に上っており、現場のニーズと予算のミスマッチが拡大しており、例えば、学校施設環境や水道施設の整備の遅れが生じている状況があると考える。地方自治の本旨に鑑み、より現場に近い沖縄県が主体性を生かせるよう沖縄振興一括交付金を増額することで、地域の実情に沿った課題解決のために予算を充当することが可能となり、ひいては繰越額と不用額を減らせるのではないかと考えるが、政府の見解を示されたい。
二 子どもの貧困対策の強化が必要な中で、今の沖縄における子どもの深刻な状況を置き去りにしてまで、こどものウェルビーイング事業を本予算案で計上する意味はどこにあるのか疑問である。
1 子どもの貧困対策については、今すぐ対応するべき課題を把握している沖縄県の自主性に任せるべきであり、国直轄事業から沖縄振興特別推進交付金(ソフト交付金)に移管すべきではないかと考えるが、政府の見解を示されたい。
2 こどものウェルビーイング事業に関する予算の計上に当たり、沖縄県とどのような調整を行ったのか、調整を行った沖縄県の担当課、日時、調整の内容を、可能な限りそれぞれ具体的に示されたい。
三 本予算案において、ソフト交付金事業から外出しして計上された三つの新規事業(駐留軍用地跡地先行取得事業、沖縄農林水産物条件不利性解消事業、沖縄離島住民交通コスト負担軽減事業)については、ソフト交付金事業から外出しした理由が示されておらず、外出しにしたことであたかも事業が増えたかのような誤解を生じさせかねないと考える。
1 ソフト交付金事業から外出ししたこれら三つの新規事業について選定理由を明らかにされたい。
2 沖縄県が国の直轄事業とすることを求めていたのか、沖縄県の財政課以外に現場を担う県の業務部門とどのような調整をしたのか、調整を行った沖縄県の担当課、日時、調整の内容を、可能な限りそれぞれ具体的に明らかにされたい。
四 沖縄振興予算の当初予算額については、平成二十五年度予算から令和三年度予算までは三千億円台が確保されていたが、令和四年度予算以降は二千六百億円台となり、大幅に減少している。令和四年度当初予算額は概算要求では二千九百九十八億円を要求していたにもかかわらず、結果として前年度予算比三百二十六億円減の二千六百八十四億円とした理由について、削減した事業及び金額の根拠も含めて詳細を明らかにされたい。
五 令和三年度からの継続事業が沖縄振興予算の一定割合を占める中、大幅に減少した令和四年度予算の当初予算額を基準として、令和五年度以降の当初予算も削減を継続している理由を詳細に示されたい。
六 沖縄県や県内の市町村が実施する様々な事業の進捗に支障が出ていると考えるが、政府として、このような状況を改善するために、更なる予算措置を含めた支援を検討してはいないのか。検討している場合、その進捗状況を明らかにされたい。
右質問する。