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令和七年三月十七日提出
質問第一一五号

畜産動物のアニマルウェルフェアに関する質問主意書

提出者  松原 仁




畜産動物のアニマルウェルフェアに関する質問主意書


 人間以外の動物にも意識や感覚が存在し、その生態や欲求を可能な限り妨げないという、いわゆる「アニマルウェルフェア」の考え方が世界の国々に広まっている。我が国においても、アニマルウェルフェアを理解し、政府や民間団体による運動や取組が行われてきた。
 一方で、動物保護に関する国際団体である世界動物保護協会(WAP)が二〇二〇年に発表した「動物保護指数」において、日本は総合「E」評価、特に畜産動物(産業動物)における評価では、飼養管理に関する法規制の弱さを指摘され、最低ランクの「G」と格付けされている。同指数が絶対的な指標として公認されるかは議論の余地もあるが、一定の基準で調査が行われたことを鑑みれば、その評価を謙虚に受け止め、具体的な指摘を現状改善の一助とすることは有意義と考える。
 アニマルウェルフェアの五つの自由「飢え・渇きからの自由」「不快からの自由」「痛み・負傷・病気からの自由」「恐怖や抑圧からの自由」「本来の行動がとれる自由」を念頭に、以下質問する。

一 二〇二〇年にWAPにより発表された「動物保護指数」について政府の認識如何。
二 動物の愛護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号)について、政府で「畜産動物」若しくは「産業動物」又はそれに類する条項の新設を検討したことはあるか。また、今後検討する予定があるか。
三 畜産動物(産業動物)の屠畜や殺処分に際して、事前に意識喪失させることで動物の苦痛を緩和することができると考える。事前の意識喪失による動物の苦痛を緩和することの義務化を徹底することに関して政府の見解如何。
四 肉養鶏、採卵鶏の飼育について、過密な飼育密度でのケージ飼育の問題が指摘されている。飼育密度の緩和及び平飼いや放牧への転換を促進するための政府の取組の現状又は検討状況を明らかにされたい。
五 豚に関して、EUでは二〇一三年よりいわゆる拘束飼育(ストール飼育)を禁止しているが、我が国では現在も「妊娠ストール」「分娩ストール」を利用した飼育が行われている。拘束飼育について、政府の取組の現状又は検討状況を明らかにされたい。
六 牛に関して、いわゆる「繋ぎ飼い」は衛生面や運動の不自由により健康への悪影響が指摘されている。改善に向けた政府の取組の現状又は検討状況を明らかにされたい。
七 畜産動物(産業動物)に関するアニマルウェルフェアの向上には、畜産農家や流通業者の理解及び認識の向上は不可欠である一方、設備投資や飼育方法の抜本的な変更を伴うため、畜産農家の自発性に任せていてはコスト面でのハードルの高さから対応が進められない現実もあると考える。日本での取組が遅れているとの指摘に関して政府の見解如何。
 
 右質問する。

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