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令和七年四月十一日提出
質問第一四一号

良質な幼児教育を提供するための子ども・子育て支援制度等の改善に関する質問主意書

提出者  屋良朝博




良質な幼児教育を提供するための子ども・子育て支援制度等の改善に関する質問主意書


 幼児期の教育は生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであるところ、幼稚園及び認定こども園(以下「幼稚園等」という。)が良質な幼児教育を提供できるよう、子ども・子育て支援制度等を改善し、幼稚園等の安定的な運営に係る支援を強力に推進していく必要があると考える。
 以上を踏まえ、次の事項について質問する。

一 二〇二四年の出生数は、厚生労働省の人口動態統計速報によると、過去最少の七十二万九百八十八人となっている。少子化の進行によって幼稚園等に入園する児童数の減少が予想されるところ、園児の数に応じて施設型給付を受ける幼稚園等の収入についても減少していくことが予想される。良質な幼児教育を提供する上で、安定的な運営は不可欠であるため、園児の数が減少していくことを踏まえて、公定価格の基本分単価を引き上げる必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。
二 幼稚園等において良質な幼児教育を提供できる体制を整えるためには、幼児教育の質の向上に係る公定価格上の加算措置について、更なる拡充が必要であると考える。
 1 第三者評価受審加算の単価を引き上げることで、第三者評価の実施を推進していくべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。
 2 職員の平均経験年数に応じて加算率が設定される処遇改善等加算Tについては、平均経験年数十一年未満までは加算率が段階的に上昇する一方、十一年以上については、加算率は上昇せず、一律で十二パーセントとなっている。平均経験年数十一年以上についても段階的に加算率を上昇させる改善が必要であると考えるが、政府の見解を示されたい。
 3 処遇改善等加算については、制度が複雑で分かりにくく、事務作業も煩雑で、多大な事務負担となっていることから、幼児教育の質の向上が担保される形で一本化されることが望ましいと考える。処遇改善等加算T〜Vの一本化について、現在の検討状況を示されたい。
三 幼稚園教諭の普通免許状は、専修免許状(修士の学位を有する者)、一種免許状(学士の学位を有する者)及び二種免許状(短期大学士等の学位を有する者)という三種類の免許状があるところ、幼稚園教諭免許状の種類に応じた人件費の加算や、免許状の上進に伴う処遇改善措置が必要だと考えるが、政府の見解を示されたい。
四 二〇二四年度から四歳以上児配置改善加算が公定価格において措置されている。
 1 当該加算とチーム保育加配加算の併給はできないとしている理由について示されたい。
 2 幼稚園等における幼児教育及び保育の質の向上を更に推進するという観点から、この取扱いをやめ、併給を認めるべきだと考えるが、政府の見解を示されたい。
五 施設型給付を受ける幼稚園等で働く教諭の給与に大きな差をもたらす地域区分の存在は、都市部近郊や人口減少地域において幼児教育に必要な人材を確保するに当たって、大きな障害となっていると考える。こども家庭庁は、二〇二四年人事院勧告に基づく地域区分の見直しについて、二〇二五年四月からの見直しは実施せず、引き続き見直し方法について丁寧に議論を進めていくとしているが、現在の議論の状況について示されたい。
六 地域のニーズに応じた保育・幼児教育の提供体制を確保する観点から、認定こども園において、子ども・子育て支援法(平成二十四年法律第六十五号)第十九条第二号に該当する子どもとして認定を受けた子ども(以下「二号認定子ども」という。)及び同法第十九条第三号に該当する子どもとして認定を受けた子ども(以下「三号認定子ども」という。)で市町村外に居住する者の受入れ基準を緩和し、広域入所を積極的に推進すべきと考える。政府は、当該市町村に対して、市町村外に居住していることを理由とする不利益な取扱いを見直すように求めるなど、広域入所の要件緩和を積極的に働きかけるべきだと考えるが、政府の見解を示されたい。
七 子ども・子育て支援法第十九条第一号に該当する子どもとして認定を受けた子ども(以下「一号認定子ども」という。)に加え、二号認定子ども又は三号認定子どもも通園している認定こども園においては、当該二号認定子ども又は三号認定子どもも通園バスを利用することができるとする一方で、公定価格の通園送迎加算は、一号認定子どもにしか加算されない。
 1 二号認定子どもも三号認定子どもも通園バスの利用者であることに変わりはないにもかかわらず、通園送迎加算を一号認定子どもに限っている理由を示されたい。
 2 認定区分にかかわらず通園バスの利用を認めている施設の方が、バスの利用者一人当たりの加算額が少なくなるというのは、平等性の観点から問題だと考える。一号認定子どもの通園送迎加算を受けている施設については、二号認定子ども及び三号認定子どもについても加算すべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。
八 幼稚園等における一時預かり事業について、支援の拡充が必要であると考える。
 1 満四歳以上児及び満三歳児の職員配置基準の改正によってより多くの職員配置が必要となったことを踏まえ、一時預かり事業(幼稚園型T)に係る補助基準額を増額すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。
 2 障害児等の特別な支援等を要する児童については、加算が適用されているものの不十分であり、専任職員の追加配置を可能とするために単価を増額すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。
 3 二〇二六年度の本格実施に向けて検討が進められているこども誰でも通園制度について、利用可能時間を超過した場合に一時預かり事業を利用する可能性も考えられるところ、一時預かり事業に係る子ども・子育て支援交付金の単価を引き上げるべきと考えるが、政府の見解を示されたい。
九 市町村に対する給付請求等の場面で多くの書類作成を強いられるなど、幼稚園等の事務負担が重くなっている。手続のオンライン化等を通じ、事務量の軽減を実現すべきと考えるが、ICT化やDXの推進等について、幼稚園等の事務負担軽減のために現在行っている具体的な取組及び今後の見通しをそれぞれ示されたい。
十 幼稚園等を対象とする処遇改善等加算Uに係る研修について、研修実施主体の認定を行っていない加算認定自治体が多く存在するとされているところ、研修機会の提供体制の整備を促進するため、幅広い範囲から積極的に認定するよう政府から加算認定自治体への働きかけを強化すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。
十一 幼児教育の質の向上のためには、ソフト面に加えハード面を充実させることも重要であり、就学前教育・保育施設整備交付金の支給単価をより一層引き上げる必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。
十二 生涯にわたる人格形成の基礎を幼稚園等において築くことができるよう、より良質な幼児教育を追求していかなければならないと考える。幼児教育が子どもの発達や小学校以降の学習や生活に及ぼす影響等の調査・検証について、どの程度の規模で、どのように行っているのか、政府の現在の取組を示されたい。

 右質問する。

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