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令和七年四月十四日提出
質問第一四八号

オンラインカジノにおけるポイント還元制度および資金決済のあり方に関する質問主意書

提出者  水沼秀幸




オンラインカジノにおけるポイント還元制度および資金決済のあり方に関する質問主意書


 オンラインカジノについて、政府は従来から違法との見解を示しており、岸田内閣総理大臣(当時)も令和四年六月一日の衆議院予算委員会にて「厳正な取締りを行わなければならない」と答弁している。しかし、実際の検挙件数は令和二年から四年までで計四十二件にとどまり、警察庁が本年三月に公表した調査では、国内のオンラインカジノの経験者は約三百三十七万人、年間の賭け金総額は約一兆二千四百二十三億円にのぼると推計されており、前記答弁にいう「厳正な取締り」との乖離は極めて大きいと考える。
 こうした中、政府は同月、違法オンラインカジノ対策を柱とするギャンブル等依存症対策推進基本計画を閣議決定し、広告規制、決済制限、啓発強化、アクセス制限などの方針を打ち出した。いわゆるアフィリエイトや決済代行を通じた賭博幇助行為の取締り強化も盛り込まれている。
 しかしながら、ポイント還元制度や紹介制度といった、いわゆるポイ活的手法による利用者誘引や依存助長については、未だ実態把握も規制も不十分であり、資金決済の匿名性や国際的な送金構造に関する制度的対処も手付かずである。政府はこれまで、「「オンラインカジノ」については、政府として確立した定義を有していない」(内閣衆質二〇一第六一号)と答弁してきたが、違法性を前提とする以上、実効的な法的整理と規制の強化が急務であると考える。
 これらのことについて次の質問をする。

一 オンラインカジノの定義および制度的位置付けに関する政府の見解について
 1 政府は従来、オンラインカジノについて確立した定義を有していない旨答弁してきた。現行法上の賭博罪適用を前提とする以上、その定義を明確化する必要があるのではないかと考えるが、現時点の政府内におけるオンラインカジノの類型的理解と、その制度的位置付けをそれぞれ示されたい。
 2 海外でライセンスを取得して運営されているオンラインカジノであっても、日本国内からのアクセスにより金銭を賭ければ、刑法第百八十五条の賭博罪に該当するとの政府見解は一貫していると理解してよいか。あわせて、その認識が社会に十分浸透していない理由について、政府の分析を示されたい。
 3 刑法第百八十五条および第百八十六条は明治四十年に制定されたものであり、インターネット空間での賭博を想定していないが、現行法の下でもオンラインカジノへの有効な対応は可能と考えるか、それとも制度改正が必要と考えるか。
二 ポイント還元制度等に関する政府の認識と対応について
 1 政府は、オンラインカジノにおいて広く行われているポイント還元、紹介制度、VIP特典などのインセンティブ制度が、過度な参加意欲を刺激しギャンブル依存を助長するおそれがあるとの指摘について、どのような認識を有しているか。
 2 公営競技においても類似のインセンティブ制度が導入されており、令和七年三月七日提出の大西健介議員による質問第八五号でも、依存症との関係についての実態把握や制度的対応の必要性が問われたが、オンラインカジノについてはそのような制度的整理がされていないと考える。この点について政府の認識を問う。
 3 新たなギャンブル等依存症対策推進基本計画では、違法オンラインカジノの広告規制や決済対策が打ち出されたが、ポイント制度の具体的リスクについては明記されていないと考える。今後、同基本計画において、オンラインカジノにおけるポイント制度の規制方針を明示する考えはあるか。
三 資金決済手段の匿名性とその法的対応について
 1 オンラインカジノでは、プリペイドカード・電子マネー・仮想通貨・決済代行業者等を通じて資金が移動しており、利用実態の把握が困難となっていると考える。政府はこれらの手段の利用実態をどの程度把握し、現行制度における限界をどのように認識しているか。
 2 犯罪による収益の移転防止に関する法律(平成十九年法律第二十二号)第八条第一項は、いわゆる特定事業者に対し、疑わしい取引の行政庁への届出を義務付けているが、オンラインカジノへの資金移動を媒介する決済業者に対し、より積極的な監視や処分の対象とする法改正の必要性について、政府の見解を問う。
 3 新たなギャンブル等依存症対策推進基本計画では、通信事業者への広告表示の禁止、クレジットカード会社への注意喚起などが記されている。こうした措置を単なる行政上の要請にとどめず、法的に義務化すべきと考えるが、政府の今後の検討状況を示されたい。
 
 右質問する。

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