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令和七年五月九日提出質問第一七八号
太平洋クロマグロの資源管理に係る沖縄県への漁獲可能量の配分等に関する質問主意書
提出者 屋良朝博
太平洋クロマグロの資源管理に係る沖縄県への漁獲可能量の配分等に関する質問主意書
二〇一四年に中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)において合意された太平洋クロマグロの資源管理措置については、沖縄県においても、その遵守に向けて、国の基本方針に従い、県内の管理体制が構築され、漁業者、漁業団体、行政が一体となった取組が行われていると承知している。
しかしながら、近年の沖縄県の漁獲枠は、過去の最大漁獲実績の八割を下回る漁獲可能量に設定されており、これに起因して、二〇一九年の第五管理期間から六期連続で最盛漁期中の採捕停止に至り、二〇二四管理年度においても五月から七月にかけて多くの大型魚の放流を余儀なくされた。さらに、採捕停止に至った後も、太平洋クロマグロが網にかかることによる漁具の破損が頻発しており、キハダなど太平洋クロマグロ以外の魚種についても操業が困難な状態となっていると承知している。
これらのことから、沖縄県漁業者は資源管理の効果を実感しつつも、回復した資源を利用できない状況に憤りを感じるとともに、漁具破損等による操業機会の減少により将来の経営が見通せないことについて、大きな不安を抱いていると承知している。
このような中、二〇二四年十二月に開催されたWCPFC第二十一回年次会合において、大型魚の漁獲枠を五十パーセント増枠する等の措置が採択された。また、その後、水産庁水産政策審議会第百三十四回資源管理分科会において、都道府県別の当初配分等について承認された。
これらを踏まえ、以下質問する。
一 大型魚の都道府県別漁獲可能量の当初配分については、沖縄県漁業者より、過去の最大実績を反映した当初配分となるように「配分の考え方」を見直すよう要望する声があると承知している。二〇二五管理年度以降の「配分の考え方」において、過去の最大実績がどのように反映されているのかについて示されたい。あわせて、二〇二五管理年度の沖縄県の当初配分について、過去の最大実績との比較とともに示されたい。
二 WCPFCにおける大型魚の漁獲枠の増枠決定については、太平洋クロマグロの資源管理について特段の取組を行ってきた沿岸漁業者がその成果を享受できるよう、WCPFCで増枠された割合を下回らない数量を知事管理漁業の大型魚の当初配分とする必要があると考える。二〇二五管理年度における沖縄県の知事管理漁業の大型魚の当初配分について、二〇二四管理年度からの増加割合を示されたい。
三 漁獲枠が増えたとは言え、引き続き太平洋クロマグロの資源管理に取り組む漁業者等にとって、経営安定対策の拡充は喫緊の課題であると考える。
1 二〇二五年度における対象漁業者への所得補償、支援策等について具体的な内容を示されたい。
2 採捕停止後に太平洋クロマグロが網にかかることに伴う漁具の破損などについては、きめ細かな支援を柔軟に行う必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。
右質問する。