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令和七年六月十三日提出質問第二七一号
予備自衛官補からの任官階級に関する質問主意書
提出者 阪口直人
予備自衛官補からの任官階級に関する質問主意書
予備自衛官補制度は自衛官としての勤務歴がない一般社会人や学生に予備自衛官に任用される道を拓く制度として平成十三年に創立され、翌年から陸上自衛隊が採用している。同制度は自衛隊になじみがない一般国民が自衛隊に接することで理解を深めると同時に、予備自衛官への門戸を広く開放することで、優れた専門技術を持つ民間の力を我が国の防衛に組み入れることに一定の役割を果たしてきた。
特に技能公募予備自衛官補は衛生、法務、語学などの分野の専門家を予備自衛官に任命することを目的に設けられた制度で医師、歯科医師、看護師、弁護士、司法書士に加え、ロシア語、中国語、韓国語やアラビア語などの語学の専門家を予備自衛官補として採用し、教育訓練修了後、非常勤国家公務員の予備自衛官として任用する制度として、有事に備えての我が国の国防強化の一役を担ってきた。
ただ、予備自衛官補から教育訓練終了後の任官では幹部になることが約束される医師、歯科医師、看護師、弁護士、司法書士などと違い、語学の専門家は博士号を持っていても、陸曹長、一等陸曹止まりの下士官と、その待遇を巡っては大きな不利益が生じていると考える。
したがって、次の事項について政府に対し質問する。
一 医師の予備自衛官補の場合、実務経験が一年未満であっても教育訓練終了後は三等陸尉と幹部の地位が約束されるが、語学の専門家の場合は海外の大学を卒業し博士号を持ち、海外の大学で教えた経験を持つ者であっても、下士官の曹長止まりとなっていると承知している。優秀な人材を確保する観点からも語学の専門家で任務に繋がる様々な修士号、博士号を持っている者に対しては、その高度な専門性を生かすべく三尉以上の幹部になる道を拓くべきと考えるが政府の見解を示されたい。
二 我が国にとり将来、脅威となり得る国の言語、ロシア語、中国語、朝鮮語の専門家の確保は国防強化の観点からも不可欠である。優秀な語学人材確保の面からも対象言語で大学、大学院など高等教育機関で勉学を修了した者に対しては三尉以上の幹部への登用を検討すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。
右質問する。