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令和七年六月十七日提出質問第二九九号
関節リウマチ患者の医療費負担軽減に向けた施策に関する質問主意書
提出者 青山大人
関節リウマチ患者の医療費負担軽減に向けた施策に関する質問主意書
関節リウマチ(悪性関節リウマチを除く。以下同じ。)は指定難病ではないが、自己免疫疾患の一種であり、国内患者数は推定約八十三万人とされる。また、女性に多く、三十代から五十代のいわゆる現役世代での発症が多いとのことである。完治の難しい疾患ではあるが、近年、医療の進展で「寛解」を目指せるようになった。
しかし、症状を抑える効果が期待できる生物学的製剤は高価であり、完治の難しい疾患ゆえに生涯にわたって治療を続ける必要から、薬の使用期間は長くなり、患者の経済的負担は重い。
患者が女性に多いこの関節リウマチにおいて、経済的負担が大きく治療を続けられない、疾患に対し家族の理解が得られず肩身が狭い等の患者の声がある。少しでも痛みのない充実した人生を送るため、誰もが適切な治療を受ける権利があるが、経済的負担が大きな課題となっており、早急に対策を検討すべきである。
また、患者数が多いにもかかわらず、関節リウマチについてあまり知られていないという実情がある。二〇二〇年リウマチ白書等によれば、福祉専門員、ケアマネージャー、医療ソーシャルワーカー等の関節リウマチに対する理解と知識の欠如を痛感する声、福祉制度の地域差が大きいとの実感が患者から寄せられている。この地域差の背景には、関節リウマチへの理解の不十分さも要因の一つではないかと推察する。
そこで質問する。
一 関節リウマチについて、患者の医療費負担軽減に向けた施策が必要と考える。
特に、生涯治療を続ける必要があるため治療期間が長期にわたる現役世代患者にとって、治療費が将来の生活設計にも影響する。生物学的製剤を使えば症状が改善し仕事もできるが、子どもの教育費のために治療をやめる等、苦渋の選択を迫られるケースもある。
長期臥床を防ぐ関節リウマチの治療は、早期治療を始めやすく、「寛解」に向けて持続可能なものであるべきで、治療の有益性に着目して、治療額のみで支払負担額を決定する従来の高額療養費制度の枠に囚われない施策が、国の長期的視野からすれば必要と考える。
政府の関節リウマチ患者の医療費負担軽減に向けた施策についての検討状況や見解を伺う。
二 医療の進展で関節リウマチ患者が治療を続けながら働くことが可能となり、就労を希望する者は今後増えると考えられる。関節リウマチ患者が就労支援を受けやすくなるよう、国による施策が必要と考えるが、政府の検討状況や見解を伺う。
三 関節リウマチは原因不明で完治の難しい疾患であり、がんと同様に患者数も多いが、がんと比べて、民間の保険もなく国による支援制度も薄い。
関節リウマチに対する社会全体の適切な理解があればこそ、国による関節リウマチ患者の医療費負担軽減に向けた施策や支援策の設計も進みやすいのではないか。
そこで、政府が関節リウマチについての知識や理解を広める発信をするべきと考えるが、政府の見解を伺う。
右質問する。